
メネクセ・トキャイ、アンカラ
トルコは、月曜日に環境影響評価の結果、計画に青信号が与えられたのを受け、トルコの指導者でさえ「クレージー」と呼ぶほどの巨大な海運プロジェクトであるレジェップ・タイップ・エルドアン大統領のイスタンブール運河の作業に着手したい考えである。
メガプロジェクトでは、イスタンブールの外れに45 kmに及ぶ運河が建設される予定であり、計画を支持する人々はこれをスエズ運河に匹敵するものとなる述べている。
与党公正発展党(AKP)政府が「シグネチャー・プロジェクト」と見なすこの運河は、隣接するボスポラス海峡での船舶の混雑を緩和し、2025年に完成すると1日に最大160隻が航行することが期待されている。
しかし、プロジェクトの規模とコストは、各方面からの批判を集めており、野党のイスタンブール市長であるエクレム・イマモール氏は、運河は環境に壊滅的な打撃を与え、資金調達も困難であろうと述べている。
彼は先月、「この市(イスタンブール)は神からの贈り物です。この市を裏切ってはいけません」と語った。
イマモール氏の懸念は政府により却下されたが、彼は約150億ドルの費用がかかると予想されるこのプロジェクトに関する国民投票を求めている。
エルドアン首相はイマモール氏のコメントを拒否し、「市長はイスタンブール運河は適切ではないと主張している。余計なお世話だ。」と語った。
しかし、イスタンブールに本拠を置く独立したジオ・アナリストであるヨルク・イシク氏は、Arab Newsに対し、イスタンブール運河プロジェクトが環境クリアランスを取得したかどうかは不明だと語った。彼は、「トルコの大統領がフライングをして、この問題で勝利を宣言しようとしている可能性が高い」と付け加えた。
もう1つ懸念されるのは、運河がモントルー条約を脅かす可能性があることである。この条約は1936年に調印されたもので、トルコがボスポラス・ダーダネルス海峡を管理し、この戦略的水路への軍艦のアクセスを制限するというものである。
トルコのイルカー・バスバグ元参謀長は運河計画を批判し、このプロジェクトの下で状況が変化した場合、加盟国は条約を破棄または無視できることになると述べた。
この条約では、民間の船は平時に海峡を使用できるが、軍艦による黒海へのアクセスは制限されている。
しかし、ボスポラス・ダーダネルス海峡(どちらも自然の水路)は条約によって規制されているが、イスタンブール運河は人工の運河なのでトルコ当局により監督されることになるであろう。
「条約は黒海での軍拡競争を防ぎ、平和を維持してきた」とイシク氏は言う。
イシク氏によれば、ロシアは条約を自らの安全保障と経済にとって極めて重要であると考えており、条約に対するいかなる変更も決して同意しないであろう。
もし新しい運河が軍艦にも開かれることになれば、ロシアとの深刻な政治的危機が発生する可能性がある、とイシク氏は語った。
「トルコの歴史的観点から見ると、モントルー条約はトルコ共和国の設立文書の1つです。それを議論の俎上に載せることは自滅的であり、近視眼的な国内政策上の策略であるとしか言いようがありません」と彼は言う。
また野心的な運河プロジェクトには、新しい住宅やビジネスエリアも組み込まれており、批評家からは「不動産」プロジェクトであると批判されている。
運河の資金調達も、経済的低迷が広まるこの国で多くの異論を呼ぶ問題である。