
全国知事会の新型コロナウイルスに関するワーキングチーム(WT)は21日、今夏の感染拡大「第5波」の検証結果を報告した。ワクチン接種は重症化の抑制などで効果が見られた一方、飲食店への営業時間の短縮要請では、実施の有無で明確な差がないと答えた自治体もあった。
WTは地域の状況や対応について各都道府県から報告を受けた。デルタ株が主流となった第5波は、第4波の倍のスピードで感染が拡大し、新規感染者が爆発的に増えて「多くの地域で保健・医療提供体制は危機的な状況に陥った」とした。
ワクチンについては、新規感染者に占める接種済みの人の割合が著しく低く、重症化を防ぐ効果があった。新潟県では、2回接種した人の重症化は確認されなかった。
飲食店への時短要請では、岡山県などで人出の減少につながり新規感染者が減り、飲食店でのクラスター(感染者集団)も減少した。ただ、奈良県は時短要請の有無による感染状況の変化は「差が明確ではない」と判断。第5波での時短要請は見送った。
時事通信