
ナジャ・フーサリ
ベイルート:レバノン軍は、木曜日の銃撃戦で7人が死亡した後、金曜日にタヨーネ地区とベイルートの北と南の郊外に通じる道路に検問所を設置した。
軍の専門部隊による調査では、武装した、ヒズボラとアマル運動からなるメンバーと、両者が主張する「レバノン軍団(LF)」の武装集団との衝突の直接的な原因は明らかになっていない。
軍関係者はアラブニュースに対し「木曜日の出来事に関する陸軍司令部の声明は、さらなる調査が行われるまでは不明点が残る」と語った。「しかし、現在明らかになっているのは、ヒズボラとアマルのデモ隊に向けて発砲された銃弾は、頭部、胸部、腹部を狙ったものであり、負傷者の銃創箇所の多くもこれらの部位であったということだ」
この銃撃戦は3時間以上続き、兵士2名を含む32名が負傷した。
平和的であるべきデモが、あっという間に無秩序な状態となった。ヒズボラとアマル運動は、街頭が銃弾とロケット弾が飛び交う戦場になる直前まで、タレク・ビタール判事をベイルート港爆発事件の捜査から外すよう要求する集会を行っていた。
金曜日、軍関係者は「スナイパーが屋上から路上のデモ隊を狙撃していた建物のコンシェルジュや、銃撃現場で目撃されたLFのメンバーを含む13人が逮捕された。軍は証拠としてCCTVの映像を利用した」と語った。
金曜日には犠牲者を追悼する国民の日が宣言され、レバノン全土の学校、銀行、政府機関が閉鎖された。また、ベイルート南郊やベッカーで行われた犠牲者の葬儀では、空中に向け発射された追悼の銃声が鳴り響いていた。
この銃撃戦で建物や家屋、駐車場の車などに生じた被害の全容が金曜日に明らかになった。家に戻った人々は、この出来事に深い怒りを示し「誰が人的、物的な損失を補償してくれるのでしょうか」と問いかけた。
タヨーネ地区の建物にはB7グレネードで破壊された痕跡がはっきりと残っていた。金曜日は、商店は閉まり、街を歩く人も少なく、不安な静けさに包まれていた。この地域を通過したすべての車とバイクは当局によって検査された。
軍関係者によると、これ以上の拡大を防ぐため、空挺師団がアイン・レマネとチヤで軍を支援しており、「この地域の緊張が高まっており、不測の事態に備えている」という。
サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外相は、レバノンの政治的・経済的状況について「明確に懸念」しており、「今」行動を起こす必要があると述べた。この2日間の出来事は、レバノンが真の深刻な変化を必要としていることを示しており、それを実行する責任は同国の指導者にあると述べた。
サウジアラビア外務省は声明の中で、王国はレバノンでの出来事を注意深く見守っていると述べた。声明によると、王国は状況ができるだけ早く安定することを望んでおり、サウジアラビアはレバノンの人々の味方であると述べている。
彼らの情報筋によると、ヒズボラとアマル運動は、200人以上の死者と数千人の負傷者を出した2020年8月4日のベイルート港爆発事故の捜査からビタール氏を解任するよう要求しているという。
「司法は、憲法の秩序を回復できる方法を見つけなければならない。現在被告となっている元大臣や副大臣は、大統領と大臣による法廷によってのみ裁かれると宣言しなければならない」とアマル運動の関係者が公式にアラブニュースに語った。
議員のジャラル・アブドゥラ氏は、この事件は非常にセンシティブであり、正確な状況解明が必要であると述べた。
平和的に行われたはずのデモが、なぜ武力衝突に発展したのか、真実を明らかにする必要がある、と氏は述べている。「レバノン人の記憶の中には、血塗られた歴史の断片が横たわっています。我々は何が起こったかに関わらず、もうこのようなことは経験したくありません」
アブドゥラ氏はアラブニュースに対し「木曜日に起きたことを受けて、真実を明らかにするためには、最高位から最低位までの治安当局のあらゆる種類の免責を解除しなければならないでしょう。今回の捜査とビタール判事の役割について、非常に懸念している人々も存在します。今必要なのは、誰もが法のプロセスを守ることです」と語った。
ベイルートにあるマルコム・H・カー・カーネギー中東センターのコミュニケーション・ディレクター兼研究員であるモハナド・ハギ・アリ氏は、タヨーネで起きた犯罪はベイルート港の犯罪に対抗するために政治的に利用されるかもしれないと述べた。
「ヒズボラは、自分たちの支持者をこの危ういエリアに入れることで、血を流すことを予期していなかったとは思えません」と彼は言う。「ヒズボラは、ビタール判事による捜査や、告発される可能性を非常に警戒しています。これはあくまでも可能性の話です。しかし、これまでに、少なくとも表向きに明らかになっていることとして、ヒズボラは同盟組織であるアマル運動とマラダ運動を擁護しており、その大臣たちは港の爆発事件の被告となっているということです」
アリ氏はヒズボラの行動に懸念を示し、近い将来起こりうる暗殺の試みを危惧した。
「ちょうど、元首相ラフィク・ハリーリ氏の暗殺が、作家で活動家のルクマン・スリム氏の暗殺まで発展したときのように」と述べた。
EUは、暴力の行使を非難し、犠牲者の家族に哀悼の意を表し「これ以上の無意味な人命の損失を避けるために、最大限の自制を」と呼びかけた。