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ヒズボラのナスラッラー氏、ベイルートの暴力は危険な事件だと発言

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19 Oct 2021 04:10:43 GMT9
19 Oct 2021 04:10:43 GMT9
  • 「レバノン軍団の本当の意図は内戦だ」と、ナスラッラー氏は生放送のテレビ演説で述べた
  • ヒズボラはキリスト教徒の敵ではなく、そのように表現しようとするのは幻想だと、ナスラッラー氏は言う

ベイルート:レバノンのイランが支援するシーア派組織ヒズボラの指導者は18日、シーア派イスラム教徒7人が射殺された先週のベイルートでの暴力事件は危険な展開であり、同国の国内政治の新たな局面となったと述べた。

過去10年で最悪の路上での暴力事件が起きて以降初となる発言の中で、サイード・ハッサン・ナスラッラー氏は、キリスト教政党レバノン軍団と、その党首のサミール・ジャアジャア氏を厳しく非難し、14日の殺害行為の責任は彼らにあるとする非難を繰り返した。

「レバノン軍団の本当の意図は内戦だ」と、ナスラッラー氏は生放送のテレビ演説で述べた。

ヒズボラの拠点となっているベイルート南部の郊外、ダヒヤでは、ナスラッラー氏の演説開始を祝って、銃による激しい祝砲が上がった。この演説は、首都の港で壊滅的な被害を出した昨年の爆発の調査をめぐる緊張が高まる中で行われた。

ナスラッラー氏は、ヒズボラはレバノンのキリスト教徒の敵ではないと述べた。

「レバノンのキリスト教徒の存在を最も脅かすものは、レバノン軍団とその党首だ」と、ナスラッラー氏は述べた。

流血は1975年から1990年の内戦の記憶を呼び起こし、武器があふれ、経済崩壊に苦しんでいる同国の安定性に対する懸念を高めた。

レバノン軍団(LF)は、同党が先週、戦闘を開始させたことを否定している。同党は、港の爆発の調査の主任調査官を務めているタレク・ビタール氏に対してヒズボラが「扇動」したことが暴力の原因だとしている。

同党はまた、ヒズボラがキリスト教地区のアイン・レマネに支持者を送り込み、同地区では銃撃戦の前に住民4人が負傷したとして非難した。

「レバノン軍団には、このような内紛や内戦の考えを放棄するよう忠告する」と、ナスラッラー氏は述べた。

「あなた方は100%間違っている、あなた方の計算は間違っている。この地域では今ほどヒズボラが強くなったことはない」。

強硬姿勢を示しながらも、ナスラッラー氏は演説のかなりの部分をレバノンのキリスト教徒を安心させることに費やし、ヒズボラは彼らの権利を保護しており、キリスト教系最大の政党である自由愛国運動と同盟関係にあると述べた。

ヒズボラと同盟関係にあるレバノンのシーア派のアマル運動はこれまでに、ベイルートの暴力事件は内紛を再燃させ、平和を脅かすことを意図したものだと述べている。

7人の犠牲者は、ビタール氏に抗議するため、アマルとヒズボラが呼びかけたデモに群衆が向かう中で殺害された。

「この出来事は、内紛と国の分裂を再燃させ、市民の平和を脅かし、レバノンを内戦の時代に逆戻りさせようとしているという点で、これらの組織がやっていることの裏にある真実を、レバノン国民に示した」と、アマルは声明の中で述べた。

同国で最も有力な政治家の1人であるナビーフ・ビッリー・レバノン議会議長が率いるアマルは、当局に対し、暴力行為に関与した全ての人間を逮捕するよう求めた。

200人以上を死亡させ、ベイルート一帯に壊滅的被害をもたらした2020年8月4日の爆発の調査は、各政治党派の反発を受ける中、ほとんど進展していない。

ナジーブ・ミカティ首相は18日、アル・モドン紙に対し、調査に関して合意が得られない限り、政府は閣議を開かないと述べた。

ミカティ首相はまた、現時点では辞任するつもりはないと述べた。「国をこのような状況にしておくわけにはいかない」。

捜査をめぐる緊張は内閣にも波及しており、ビタール判事が尋問しようとしていた政治家とつながる閣僚らが、同判事の解任を要求している。

ロイター

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