リヤド:持続可能性は21世紀の重要な目標として浮上しており、伝統的な燃料に長年依存してきた国々は、環境に配慮した未来を確保するためにネットゼロの達成に取り組んでいる。
サウジアラビアをはじめとした石油輸出大国は、ブルーアンモニアのような代替エネルギーの開発を優先している。サウジアラビアは世界的なエネルギー転換をリードし、信頼されるクリーンエネルギー輸出国になることを目指している。
サウジアラビアが持続可能性目標の実現を目指す道のりを進む中、同様の環境目標を掲げる数か国が、従来の石油関係を超えてパートナーシップを拡大している。
日本は長年にわたってサウジアラビアとエネルギー分野で協力関係を築いてきた。今月、日本の岸田文雄首相が中東を訪問する予定であることから、両国の関係強化が期待されている。岸田首相はリトアニアで開催されるNATO首脳会議に出席し、気候変動の改善に対する日本のコミットメントを示した後に、中東を訪問する予定だ。
進展する日本とサウジアラビアのエネルギー関係
最近の動向は、日本とサウジアラビアが環境に配慮した取り組みを続ける中、両国間の将来が有望であることを示唆している。
2022年12月、両国は水素、燃料アンモニア、炭素リサイクルの分野における2件の協力合意に署名し、主に原油の買い手と供給者という現在の関係を強化した。
合意締結後、独自に認証された低炭素アンモニアの初荷が日本に到着した。
日本の商船三井は、この燃料を混焼発電に使うため袖ヶ浦製油所に輸送した。
この特殊な化合物は、原油輸出トップ企業であるサウジアラムコの原料を使用して、SABICアグリニュートリエンツが製造したものである。
サウジアラビアからの低炭素アンモニアの導入は、製造工程で発生する二酸化炭素を回収し、下流部門の行程で利用されるため、日本のネット・ゼロ達成に貢献することが期待されている。
アラムコの化学・水素担当上級副社長であるオリヴィエ・トレル氏は、汎用性の高い貴重なエネルギー源としての低炭素アンモニアの重要性を強調した。「低炭素アンモニアは低炭素水素を輸送する手段であるだけでなく、それ自体が重要なエネルギー源であり、公共施設や家庭への電力供給や事業向けの発電を含む主要セクターの脱炭素化に貢献できます」と述べた。
富士石油の山本重人社長は、低炭素アンモニアはCO2排出量削減に貢献する次世代燃料として期待されていると述べた。日本は2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指している。
価格要因
中東、特にサウジアラビアには、伝統的なエネルギー資源の開発において確立された歴史がある。技術的な専門知識とすぐに利用できる生産設備は、クリーンエネルギーの世界に進出する中東諸国にとって有益であることが証明されている。
日本の経済産業省が設置した作業部会によると、中東諸国は比較的低価格でブルーアンモニアを供給できる可能性があり、その価格はコストおよび運送賃を含めて1トン当たり335ドル〜339ドルであるという。これに対し、北米産のブルーアンモニアの価格は1トン当たり約413ドル、オセアニア産の価格は1トン当たり約429ドルである。
2019年の一次エネルギー総供給量の88%を化石燃料が占めていた日本では、中東からのアンモニア輸入の可能性を活用することは極めて重要だ。
岸田首相の中東訪問は、特にサウジアラビアとのブルーアンモニア取引において、さらなるパートナーシップを構築する機会を提供する。カーボンニュートラルの達成を目指す日本と、クリーンエネルギーソリューションの開発を約束するサウジアラビアは、より強力で、より環境に優しい未来を実現するという共通の目標に基づいて関係を強化することができる。