
アラブニュース
ロンドン:欧州の30人もの政治家が、イランを揺るがす抗議行動に参加したことに起因する政権の迫害から守ろうと、同国内で拘束された人々の後援者になっている。
ここ数日で2人のデモ参加者が処刑されているほか、今も数千人が、死刑判決や過酷な懲役刑に直面する可能性がある。
しかし、活動家や親族からの圧力により何人かが相次いで釈放されており、さらなる騒乱と国際的なイラン排斥の動きを懸念して、イラン政権の態度が軟化する可能性も出てきた。
欧州の後援者は、被拘束者のためにロビー活動を行い、自国のイラン大使に圧力をかけるとともに、人々が監禁されている状況について認識を高めさせ、イラン自身によるイラン国内法違反について議論し、被拘束者の居場所に関する情報開示を要求し、その窮状を公表している。
ドイツ社会民主党(SDP)議員のマルティン・ディーデンホーフェン氏は、処刑の危機に直面している19歳のムハンマド・ブログニさんの後援者(スポンサー)になっている。ディーデンホーフェン氏のSDPの同僚議員であるイエ・ワン・リエ氏は、ラッパーのトゥーマジ・サレヒさんの後援者だ。また、同様にSDPの同僚議員であるカルメン・ウェゲ氏は、20歳のアルミタ・アバシさんの後援者になっている。アバシさんは、繰り返された暴行とレイプによる負傷により、10月18日に入院していた。
ドイツキリスト教民主同盟(CDU)の元大臣であるノルベルト・ロトゲン氏は、イランの政治犯の弁護人を定期的に務めてきた弁護士モスタファ・ニリ氏の後援者になっている。
オーストリア社会民主党員のハラルド・トロシュ氏は、イラン政権の民兵組織バスィージのメンバーを殺害した罪に問われているムハンマド・ホセイニさんの後援者になっている。
オランダのリベラル派議員であるSjoerd Wiemer Sjoerdsma氏は、死刑の危機に直面している放射線技師ハミド・カラ・ハサンルさんを後援している。
フランスの左派議員であるエルサ・フォシヨン氏は、もう一人の死刑囚であるレザ・アリアさんを支援し、フランスの環境派議員であるソフィー・タイユ・ポリアン氏は、投獄されているファルハドさん、ファルザドさんのタハゼデ兄弟のためにキャンペーンを展開している。
イランでは、9月に22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが同国の道徳警察に逮捕、拘束され死亡して以来、抗議行動がほぼ絶えることなく続いている。
これまでに数万人が逮捕されたが、デモ参加者がイラン政権の弾圧によって死亡し、国民を萎縮させるためとみられる処刑が始まったことで、新たな怒りと圧力が生まれ、全国各地で抗議デモがさらに拡大している。
15日には、独CDU議員のカチャ・ライケルト氏が支援してきた17歳の女性、ソニア・シャリフィさんがアブダナンで釈放され、集まった市民らの歓声に包まれた。
その数日前には、15歳の少年、アミール・ホセイン・ラヒミさんが釈放された。母親のエルハム・ナジャフさんが地元メディアのインタビューを受け、保釈金を払う資金的余裕がないと訴えて社会の注目を集めた後のことだった。
イラン国外のイラン人活動家は、国際人権団体の助言を受け、やはり政権による処刑を阻止するために、ソーシャルメディア上で個々の被拘束者名を公表し始めた。