ドバイ:イエメンのフーシ派武装勢力は、米英国籍のすべての国連および国連機関の職員に1カ月以内に国外に退去するよう要請したと、国連職員がAFPに語った。
ソーシャルメディア上で公開された1月20日付の書簡のなかで、フーシ派が支配する首都サヌアの当局者は、駐イエメン国連コーディネーターに対し、英米国籍の職員に「国外退去の準備」のための1カ月の猶予期間を与えると伝えた。
同文書は、「期日を過ぎたあとは可及的速やかに退去しなければならない」とし、また書簡の内容は発表の24時間後から有効であるとした。
フーシ派支配地域はイエメンの国土のごく一部にすぎないが、人口稠密地の大半はフーシ派の手中にある。
国連職員はAFPの取材に対し、覚書を受け取ったことを認めた。
同職員は匿名を条件に取材に応じ、「国連と関連団体はこの通達を受け取り、次の段階を注視している」と述べた。
国連人道支援コーディネーターとしてイエメンに派遣されているピーター・ホーキンズ氏もまた英国人だ。
退去要請は、米国と英国の連合軍によるフーシ派攻撃を受けてのものだ。両軍の攻撃は、世界貿易を脅かしている、紅海およびアデン湾での商船を標的としたフーシ派による攻撃を終わらせることを目的とする。
米国は単独で複数回にわたって攻撃を実施し、23日には二度目となる米英連合軍による攻撃がおこなわれた。
17日、ワシントンはフーシ派を「国際テロ組織」に再指定した。2021年以降、困窮するイエメン国内における支援物資輸送を円滑化するため、指定は解除されていた。
フーシ派は10年近くにわたり、サウジアラビアが支援する政府軍との内戦を闘ってきた。
内戦はアラビア半島でもっとも貧しい国であるイエメンを荒廃させ、状況は国連が「世界最悪の人道危機」と呼ぶまでに深刻化している。
11月中旬以降、フーシ派はイエメン沿岸から商船を狙ってミサイルおよびドローンによる攻撃を繰り返しており、ガザ地区のパレスチナ人に連帯を示すための親イスラエル勢力への攻撃であるとしている。
イスラエルは10月7日に武装勢力ハマスによる奇襲攻撃を受けたあと、ハマスを壊滅させるべくガザ地区に包囲攻撃をおこなっている。
フーシ派は米英軍の攻撃に反発し、さらなる船舶攻撃を予告した。
イスラエルの最大の同盟国かつ軍需供給国である米国は、紅海をパトロールする国際有志連合を結成し、海上輸送の警護をおこなっている。
AFP