
アンカラ:トルコの反移民政党である勝利党党首は、24日に野党の大統領候補ケマル・クルチダルオール氏を支持し、28日の決選投票でレジェップ・タイップ・エルドアン大統領を打ち負かすべく挽回を図る挑戦者を後押しする可能性がある。
5月14日の議会投票で2.2%の支持を得た民族主義政党である勝利党のウミト・オズダー党首は、エルドアン氏が20年にわたる支配の延長を目指す5月28日の決選投票でクルチダルオール氏を支持するよう支持者に促した。
オズダー氏はアンカラでクルチダルオール氏と共に記者会見し、「大統領選の第2回投票でクルチダルオール氏を支持することにした」と述べた。
この支持は、22日に勝利党を中心とする極右連合の大統領候補であるシナン・オアン氏から受けた支持を打ち消すものである。
オアン氏は大統領選の得票率5.2%で、エルドアン氏49.5%、クルチダルオール氏44.9%に次ぐ3位となった。
右派の支持競争は、5月14日に予想以上に大きかった民族主義者への支持を反映している。アナリストによると、多くがまだ決めかねており、決選投票における勝利へのカギを握っている可能性があるという。
オズダー氏は、同党とクルチダルオール氏が、「国際法と人権にのっとって 」1年以内に移民を送還する計画で合意したと述べた。
オズダー氏は、エルドアン氏のAK党(AKP)とも同様の協議を行ったが、同党の計画には移民の送還が含まれていなかったため、同氏を支持しないことにしたと述べた。
エルドアン氏が第1回投票で強い支持を得たことで、クルチダルオール氏が世論調査でリードしているとした世論調査員は困惑した。
与党AKPの連立政権が議会で過半数を獲得し、トルコで最も重要な選挙の1つであるこの選挙で、エルドアン氏がさらに優位に立つことになった。エルドアン氏は、決選投票で同氏に投票することは、安定への投票であると述べている。
先週、共和人民党(CHP)の党首で6党連合の候補者であるクルチダルオール氏は、当選した際はすぐに移民を送還すると鋭い口調で明言した。
トルコは世界最大の難民受け入れ国である。
クルチダルオール氏はまた、生活費危機に対処するための異例の経済プログラムを撤回するなど、エルドアン氏のトルコにおける国内、外交、経済政策に行った大改革を撤回することを公約に掲げている。
オズダー氏は、エルドアン氏の同盟にある民族主義政党MHPの元副党首である。その後、クルチダルオール氏の同盟にあるIYI党に参加したが、追放され2021年に勝利党を創設した。
ロイター