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戦争の廃墟で授業を始めたイエメン

新学期初日の授業に出席するイエメンの生徒たち。同国第三の都市タイズの学校複合施設の仮設教室で。(AFP)
新学期初日の授業に出席するイエメンの生徒たち。同国第三の都市タイズの学校複合施設の仮設教室で。(AFP)
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10 Oct 2020 11:10:23 GMT9
10 Oct 2020 11:10:23 GMT9
  • 三分の一近くの子供がまだ全く通学していない国にあって、彼らは幸せだ。

タイズ:壁は砲撃で攻撃され、屋根には引き裂かれ、コンクリートの梁はボロボロ。イエメンの新学年度初日に生徒たちが戻る中、アル・ワフダ(Al-Wehdah)小中学校は廃墟の中にある。

政府とイランに支援されたフーシ派(Houthi)反乱軍との間の長年の戦闘で荒廃した第三の都市タイズ近くの同校には、ドアや窓もなく机さえなかった。

その代わり、崩れ落ちそうな屋根の下に生徒たちを敢然と出席させた一握りの教師ととも仮設教室に座り、古い筆記帳を使って練習を書き取っている。

三分の一近くの子供がまだ全く通学していない国にあって、彼らは幸せだ。

同校は2016年の空襲で攻撃された。

生徒の親のアリ・サルタン(Ali Sultan)氏は、AFP記者に外壁に書かれた赤文字の警告文を指さした。

そこには「地雷注意」と書かれてある。

同校は地雷原の真ん中にあり、生徒が戻れるよう一部が撤去された。

「生徒を家庭に残すか、この瓦礫の中で勉強するため、ここに連れてくる危険に直面するかという難しい選択に直面しました」と、同氏は語った。

子供たちは最初、空襲の翌年、学校に復帰した。

「非常に困難な時を過ごしています」と、政府軍が制圧し、フーシ派戦士が包囲している南西部の都市での戦闘に言及して同氏は語った。

タイズだけでも47校が「戦闘で完全に破壊されました」と、アブドル・ワス・シャダッド(Abdel Wassae Chaddad)県教育長は語った。

「破壊に関する限り、本市は最大の被害者です」と同氏は語った。

同氏は、学校を閉鎖し、受け入れ可能な(同じくひどい状態でも)他校に行くよう生徒に命じることを余儀なくされたと語った。

中には長距離を徒歩で来なければならない生徒もいる。

ジャミラ・アル=ワフィ(Jamila Al-Wafi)氏の教室では、黒板の代わりに支持梁に鉛筆で一日の授業を書き出している。

生徒は床に座り、よく注意して彼女をしっかり聞き、筆記帳にノートを丁寧に取っている。

授業が終わると、教室から一階までの階段として使っている崩れた屋根を滑り降りる。

「生徒が500人います」と、きちんと姿を見せ、別々の教室で勉強する男女の生徒たちを指さして、黒衣を着て顔を覆った同氏は語った。

「学校を救うため、全世界とビジネスに要請しています」と同氏は語った。「今にも崩れ落ちそうです。」

中庭では、一日を始めるために子供たちは軽い運動を行い、授業開始を待つために静かに列を作っている。

国連によると、イエメンの学齢児童中700万人のうち200万人はまったく学校に通わっていない。

2,500校以上が休校になっている。

2/3は攻撃で被害を受け、残りは軍の徴用や、戦闘で住む家を余儀なく追われた人の避難所として、あるいは資源がほとんどない郡では単に閉鎖された。

衝突は首都サナアを占拠するフーシ派がアラブ連合に支援された政府と戦っている。

戦闘は死者数万人を出し、大半は市民で、国連が説明したように世界最悪の人道的危機になっている。

国連によると、およそ330万人が住む家を追われ、人口の80%以上の2400万人が援助を必要としている。

アル・ワフダ校の教師と生徒にとって、選択肢は非常に限られていると同氏は語った。

「教育を欠いた生徒のロストジェネレーションを防止できるなら、たとえ大きな危険があっても仕事は続けます」と同氏は語った。

AFP

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