
アラブニュース
【リヤド】サウジアラビア当局は9日、新たに4人の新型コロナウイルス感染者が見つかったと発表。また、感染拡大を防ぐため、同国と9つの国との間の空路・海路での渡航を一時停止するとした。
同国保健省は、新たな患者はサウジ人1人、バーレーン人2人、米国人1人としている。
国営サウジ通信は9日朝、サウジ当局の措置として、サウジ人およびサウジ国内の外国人居住者に対し、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーン、レバノン、シリア、エジプト、イラク、イタリア、韓国への渡航が一時停止されたと伝えた。
これらの国からの旅行者、または過去14日以内にこれらの国にいた者全員は、サウジ入国を当面禁止されることになる。
今回4人の新患者が見つかったことにより、サウジの新型コロナ感染者数は15人となった。
サウジ保健省は声明で、今回見つかった1例目の患者はサウジ国民で、カティーフで以前見つかった患者の関係者とした。患者は現在病院に隔離されている。
第2第3の患者はバーレーン人女性で、イラクからバーレーンに向かう途中でサウジに立ち寄った。2人ともやはりカティーフの病院に隔離されている。
保健省報道官は、4人目の患者は旅行帰りの米国人とし、サウジ到着までにフィリピンとイタリアに立ち寄っているという。
この患者はリヤドにある隔離施設の完備された病院に移された、と同報道官は語った。
今回9か国へ渡航禁止措置が取られたことは、サウジがCOVID-19の拡散を防ぐうえで講じる一連の措置の最新版となる。COVID-19とは、中国武漢で発生した新型コロナウイルスのコードネームだ。
中国との往来については、サウジは先月に一時停止している。
サウジは先週、バーレーン・UAE・クウェートから車両により陸路で入国することを停止した。なお商用車両は例外となる。これらの国からサウジ入りする旅行者は空路での入国を求められ、空港についても、保健当局による検査の可能なリヤド・ジッダ・ダンマームの3大空港に制限した。
また、アル=エフバーリヤTVが8日遅くに報じたところによると、新型コロナへの懸念から、サウジ総合娯楽局は9日朝よりリヤド・ブールヴァールとウィンター・ワンダーランドを閉鎖すると発表したとのことだ。
サウジでは8日、急速に広がる呼吸器疾患である新型コロナの患者を新たに4人確認、総感染者数が11人に上がった。
サウジ教育省も8日、学校・大学が9日より休校・休学となると発表した。保健省の推奨する「予防策」の一環で、生徒・学生および教職員の保護が図られる。
今回の決定は、公立私立を問わずすべての教育施設および技術訓練施設・職業訓練施設に適用される。
また、モスクでの教導やコーランにまつわる活動もすべて9日より一時停止される。
8日早くには、内務省がカティーフ地域での移動制限をおこなうと発表した。地域内の感染者による感染拡大を防ぐ目的だ。
サウジ国内の11人の新型コロナ患者はすべて東部州カティーフ地域の住民となる。イランへの渡航者もいると伝えられている。イランは新型コロナによる打撃が最も深甚な国のひとつだ。
内務省の発表によると、同地域への出入りは当面一時停止される。が、住民のうち現在域外にいる者については帰還を許されるとしている。
官民の作業現場も当面閉鎖される。例外は、薬局・ガソリンスタンド・医療施設・環境美化施設・公共施設・保安施設また各種店舗といった必須サービスおよび治安をになう現場組織。
消費財および必需品の搬入については、公衆衛生確保のための一定の措置を講じたうえで、引き続き許可される。