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AI が「ゴッドファーザー」手塚治虫の新作制作を支援

『ブラック・ジャック』には、莫大な報酬で診療をしながら、貧しい人や恵まれない人を助ける無免許の天才外科医が登場する。(手塚治虫)
『ブラック・ジャック』には、莫大な報酬で診療をしながら、貧しい人や恵まれない人を助ける無免許の天才外科医が登場する。(手塚治虫)
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22 Nov 2023 03:11:44 GMT9
22 Nov 2023 03:11:44 GMT9

東京:漫画の先駆者、手塚治虫氏が生み出した人気漫画シリーズの最新作が、彼の死後34年を経て人工知能を用いて共同制作され、22日に発売された。

手塚氏(1920〜1989)は、近代日本漫画の「ゴッドファーザー」と呼ばれ、複雑なプロットと斬新な作画で、漫画を大人も子どもも惹きつけるアートに昇華させた功績が評価されている。

その代表作のひとつ、『ブラック・ジャック』の最新作が、シリーズ50周年を記念して22日刊行の「週刊少年チャンピオン」に発表された。

秋田書店の報道資料には、「漫画の神様である手塚治虫先生に、恐れ多くもAIとヒトがタッグを組み挑んだ今作」と記されている。

「漫画作成の良きパートナー・アシスタントとして活躍したAIだが、漫画を読んで楽しむこと自体はAIが出来ないことなので、是非とも皆さんに読んでいただきたいです」

手塚氏は他にも、感情豊かな少年ロボットが差別や悪人、怪獣ロボットと戦う1950年代連載開始の『鉄腕アトム』シリーズなどの有名作品を手がけた。

『ブラック・ジャック』には、莫大な報酬で診療をしながら、貧しい人や恵まれない人を助ける無免許の天才外科医が登場する。

1973年から1983年まで「チャンピオン」誌に連載された。

AI の支援を得て作られた新エピソードは、移植した心臓に問題が生じた患者を中心に展開する。

大学教授とアーティストたちから成るチームは、大規模言語モデルGPT-4とAI画像生成ツールのStable Diffusionを利用してストーリーとキャラクターデザインを決定した。イラストは人間が描いた。

手塚氏の息子である手塚眞氏は、日本のメディアに対し、「このプロジェクトに喜ばない人もいると思いますが、AIのクリエイティブな応用について議論が盛り上がるきっかけになればと願っています」と語った。

日本で初めて全編AIで作画した漫画であるディストピア物語『サイバーパンク桃太郎』が3月に発表され、数十億ドル規模の日本の漫画業界の雇用喪失と著作権侵害に対する懸念が高まり、従来の漫画を好む人々の失望感も強まっていた。

ペンネームRootportで活動する同作の著者は、100ページを超えるフルカラー作品をわずか6週間で完成させたといい、自身には絵を描く才能は「まったくない」と語っている。

AFP

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