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来月山開き、「弾丸登山」控えて=コロナ明け、山小屋の予約増―世界遺産10年・富士山

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28 Jun 2023 11:06:29 GMT9
28 Jun 2023 11:06:29 GMT9

富士山は7月、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが「5類」に移行してから初の山開きを迎える。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録から10年。山小屋の宿泊予約はコロナ流行前を上回る勢いといい、地元自治体や山小屋関係者らは、宿泊予約を取れなかった登山者が徹夜で山頂を目指す「弾丸登山」の増加に懸念を強めている。

毎年多くの登山客が利用する山梨県側の吉田口登山道。8合目にある山小屋では今月24日、山開きに向けた準備が始まった。以前は相部屋だったが、コロナ対策で昨年から全室個室化し、定員が250人から120人と半減。今年は例年より1カ月早い今月には予約がほぼ埋まった。

山梨県側の山小屋などでつくる富士山吉田口旅館組合によると、今年は予約開始から3~4日で満室になった小屋もあるという。静岡県側の富士山表富士宮口登山組合の山口芳正組合長も「コロナ前と比べ、1~2カ月ほど予約が埋まるのが早い。宿泊できずに弾丸登山をして体調を崩す登山者が相次ぐのでは」と懸念を示す。

宿泊を伴わない弾丸登山では、高山病の危険性が高まる。8合目の救護所で毎年患者を診ている山梨県立中央病院の岩瀬史明医師は「高山病は年齢に関係なく発症する。一気に登らず、山小屋で休むことで低酸素の環境に体を順応させてほしい」と指摘する。

弾丸登山の抑制を図るため、コロナ前は24時間営業だった5合目までの有料道路「富士スバルライン」について、山梨県は時短営業継続を決定。一方で「法律上、入山規制は難しい」との姿勢を示しており、弾丸登山対策について長崎幸太郎知事は「混雑が予想される週末に、巡回指導員を増員する」としている。

今夏の開山期間は、山梨県側が7月1日から、静岡県側が7月10日からで、いずれも9月10日までの見込み。山梨県世界遺産富士山課の担当者は「山頂でなくてもご来光を見ることはできる。宿泊予約を取れなかった場合は、弾丸登山を控えて、無理のない登山をしてほしい」と話している。 

時事通信

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