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サウジ、気候行動およびサステナブルエネルギープロジェクトを強化

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09 Oct 2023 10:10:09 GMT9
09 Oct 2023 10:10:09 GMT9

ミゲル・ハチティレイナ・タクラ

リヤド:サウジアラビア政府高官は日曜、サウジのエネルギー省が環境問題への義務を果たす闘いに向けた取り組みを強化したと2023年中東・北アフリカ(MENA)気候週間で述べた。

エネルギー省のサステナビリティ顧問を務めるハリド・アブレイフ氏はアラブニュースに対し、エネルギー部門が政策をグローバルな環境目標、特にパリ協定と協調させるよう動いていると述べた。

「エネルギー省はエネルギー効率を向上し、再生可能エネルギー源の使用を推進し、エネルギー部門の炭素強度を低減するための対策を積極的に導入しています」とアブレイフ氏は述べた。

またアブレイフ氏は、これらの取り組みはパリ協定の目標を、また2060年までにサウジアラビアのネットゼロ排出を達成するための同国のコミットメントに沿ったものだと付け加えた。

エネルギー省の首席気候交渉官も務めるアブレイフ氏は、「サウジアラビアは温室効果ガス排出量を削減し、エネルギーポートフォリオにおける再生可能エネルギーの割合を高めるための野心的な目標を設定しています」と付け加えた。

アブレイフ氏は、サウジアラビアが低減・除去を通じて炭化水素利用からの排出を削減するクリーンテクノロジーを獲得し加速させることに全力で取り組んでいると断言した。

またアブレイフ氏は、エネルギー部門がクリーンで効率的な燃料生産を徹底し、革新的な気候変動解決策への投資を優先課題として重視していることを強調した。

アブレイフ氏は、「モバイルカーボンキャプチャー技術、現在電力変換効率(PCE)が世界で最も高いと認められたソーラーセルのプロトタイプ、CO2地下貯留」等のイノベーションがエネルギー転換を主導していると述べた。

エネルギー省は、再生可能エネルギーへの投資を促進し炭素排出を削減する良好な規制環境を実現するために懸命にも取り組んでいる。より持続可能な未来のために、これまで企業や研究機関、NGOと協働してきた。

アブレイフ氏はまた、長期的に機能するエネルギー策を都市計画や交通システムに組み込んでいくなかでのエネルギー部門の姿勢も強調した。

「我々の役割は、サウジアラビアの政府・非政府団体による持続可能なインフラ開発およびプロジェクトを支える良好な規制環境をつくることです」とアブレイフ氏は述べた。

エネルギー省は土地、海洋、食料、水の資源の慎重な管理を通じて気候変動の影響を抑えることを図る様々な戦略にも携わっている。

「サウジアラビアは高解像度マッピングを用いて世界最大規模のサンゴ礁調査を行いました。わが国の調査結果は世界中の保全・環境管理のアプローチにとって貴重な情報となるでしょう」と、同省の高官は述べた。

民間部門の関与はサウジアラビアの気候行動アプローチの基本原則となっている。アブレイフ氏は、クリーンエネルギー技術への民間投資を促進するためにいかに政策やインセンティブの導入に注力したかについて説明した。

「民間との提携事例のひとつは、ダーランのテクノバレーにサウジアラビア初の水素ステーションを設立するための、アラムコとAir Products社の間の提携関係です」とアブレイフ氏は述べた。

サウジアラビアは2023年MENA気候週間の開催国として、ナレッジ共有、提携関係、包摂的環境行動コミットメントを通じて地域の気候変動対策を前に進めることを目指している。

規制の枠組みおよび政策に関して、サウジアラビアは再生可能エネルギー発電を奨励するためFIT(フィードインタリフ、固定価格買い取り制度)を導入すると述べた。これらの野心的な目標設定は、低炭素経済への移行を加速させるためでもある。

来たる11月にアラブ首長国連邦(UAE)で開かれる国連気候変動会議が近づくなか、サウジアラビアエネルギー省は地球を救うための同省の決意に世界各国が加わることを期待している。

「COP28に向けた我々のメッセージは明確で、それは共同努力が最重要であるということです。気候変動は国境を越える世界的な課題であり、各国のこれまでの排出およびそれぞれの状況を考慮したグローバルな対応が求められるものです」とアブレイフ氏は述べた。

またアブレイフ氏は、「規模や資源にかかわらず、すべての国が気候変動の影響を抑えるために担うべきそれぞれの役割があります。我々は有意義な発展を推進するための国際協力、包摂性、議論、ナレッジ共有、共同での問題解決の力を信じています」と付け加えた。

アブレイフ氏は、切迫した現在の環境危機に対応するうえで世界が一丸となって協力することの重要性をサウジアラビアが認識していることを強調した。

「気候対応に関しては、万能な対策はありません。各地域が、他の地域には適用できないかもしれない独自の方法で、それぞれの気候目標を達成させなければなりません。イノベーションやテクノロジーのなかに我々全員が義務を負う持続可能な未来へのカギが隠されているのですから、これらの領域への投資は包摂的でなければなりません」と、アブレイフ氏は述べた。

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