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サウジアラビア、イード・アル・フィトルで旅客急増に備える

ハラムモスクのカアバの夕日。シャッターストック
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11 Apr 2024 12:04:24 GMT9
11 Apr 2024 12:04:24 GMT9

ナディン・ハッサン

リヤド:サウジアラビアは、聖なるラマダン月を通じて数百万人のウムラ巡礼者や参拝者によるイード・アル・フィトルの旅行者急増に備える。

この急増により、ウムラに関連して主要空港の発着旅客数が大幅に増加することが予想される。

アラブ首長国連邦とサウジアラビア間のフライトだけでも、ラマダンの聖なる月にウムラを希望する、個人の需要の増加によって、顕著な急増が見られている。一般的に、需要は聖なる月の最後の10日間にピークに達する。

UAE民間航空局の統計によると、UAEとサウジアラビアを結ぶフライトは3月に13.3%増加し、ラマダンの始まりと重なった2月の約338便に比べ、週約383便となった。

サウジアラビアの航空管理会社Matarat Holdingは、今年の旅行者数は前年比25%増の660万人に達すると予測している。

同社の戦略担当のカリード・アル=ハマッシュ取締役副社長はアラブニュースに次のように語っている「ウムラのチャーター便の乗客は50万人で、残りは定期便です。国際線発着便の乗客は470万人で、残りは国内線です」

これは、昨年の旅行者の大幅な増加を反映している。サウジアラビアの民間航空総局が2023年5月に発表したデータによると、ラマダンとイード・アル・フィトル期間中の空港発着旅客数は、聖月に入ってからシャウワール9日までの間に1150万人を超えた。

昨年のイード・アル・フィトルの成功は、今年の祝典の前例となり、祝祭期間中の旅行を促進し、巡礼者を受け入れる準備ができた。

今年のイード・アル・フィトル中の旅行者数はかなり増加すると予想されている。

「イード休暇は、伝統的にサウジアラビア国内外からの旅行者にとってピークシーズンです」とAlmosaferのCEOであるMuzammil Ahussain氏はアラブニュースに語った。

「今年もイード休暇シーズンは、予約が急増しました。休暇間近に旅行を計画をする顧客が多いため、航空券やホテル宿泊の需要がさらに高まることが予想されます」と同氏は続けた。

また同氏は、多くの顧客が短時間のフライトを好み、滞在型の旅行を選んでいるので、国内の人気観光地を巡りながら、家族と充実した時間を過ごすのも人気だと語った。

「アル・ウラーやアハサーへの旅行は国内旅行者にとって特に魅力的で、リヤド、ダンマン、ジェッダといった人気の観光地が旅行者を引きつけています」と同氏は続けた。

海外旅行では、ドバイ、カイロ、そしてパリやロンドンといったヨーロッパの首都が、サウジアラビアからの旅行者の間で「人気のある場所」であり続けている、と同CEOは指摘し「今年はトルコやタイ、韓国や日本といった極東への旅行需要も高まっています」と述べた。

キャパシティ追加  

イード・アル・フィトル期間中の需要の高さを考慮し、航空会社は国内外を問わず乗客の急増に対応するために戦略的に対応している。

これには、座席数の大幅な増加やフライト頻度の増加などが含まれ、あらゆる乗客にスムーズな旅行体験を保証する。

例えば国営航空会社サウディアは今年のイードのために、国内線と国際線の座席数を前年のシーズンに比べて大幅に増やした。 

同社によると、国際線の座席数は36%増の246,000席以上、フライト数は602便で、2023年のイードと比較して44%増となった。

さらに、国内線は座席数が急増し、21%増の270,000席以上となった。これは1,300便の運航に伴うもので、前年のイード・シーズンと比べて21パーセントの増加となった。

「サウディアは、年間を通じて、また繁忙期にも柔軟な運航計画を提供することをお約束します。ラマダンの終わりとイード・アル・フィトルの始まりを迎えるにあたり、高い旅行需要を目の当たりにしており、増大する需要に対応するため、増便と座席数の増加を準備しています」と、サウディアのスレイマン・ヤコービ最高執行責任者(COO)はアラブニュースに語った。

「また、機内やラウンジでお菓子を配ったり、イード・タクビアを放送したりして、サウディアのお客様とイードの精神を分かち合っています」と同COOは続けた。

サウディアはまた、サウジアラビアと他のGCC諸国、エジプト間のホスピタリティクラスを25%割引で利用できるキャンペーンを実施している。このオファーの予約受付期間は、4月7日から4月30日までで、旅行期間は4月9日から2024年9月30日までとなっている。

AlmosaferのCEOは、ドバイはサウジアラビアに近く、サウジアラビアのパスポート保持者はビザが免除されるため、「人気のある目的地 」として際立っていると強調した。

UAEのGCAAの最新データによると、フライドバイはサウジへのフライトを2月の週93便から3月は130便へと40%増便し、エティハド航空も2月の63便から3月は77便へと22.2%以上増便した。

一方、エミレーツ航空は3月、ダンマム、ジェッダ、マディーナ、リヤドをカバーする週約67便を王国へ運航し、ウィズエアー・アブダビはダンマムとマディーナを含む週約21便を運航した。

また、エア・アラビアが運航する便は週88便に達したことがGCAAのデータで明らかになった。

3月11日から4月7日までのラマダン(断食月)およびウムラ(断食祭)期間中、エティハド航空はサウジアラビアの各都市へむけ、約45,000人の旅客が搭乗した。この期間に王国を訪れた旅行者の大半は、UAE、インド、パキスタン、インドネシアからの旅行者であった。

フライトの急増  

イード・アル・フィトル期間中の影響は大きく、旅行者に安心して観光・巡礼してもらえるようよう、サウジアラビア政府は支援している。

さらに、ウムラ巡礼者たちの主要空港における乗客の分布から、サウジアラビアの交通インフラと接続性についての見識が得られる。

ジェッダのキング・アブドルアジーズ国際空港は、ウムラ巡礼者の主要なゲートウェイとして浮上し、巡礼者は総利用者数の81%という驚異的な数字を記録した。

「ジェッダのキング・アブドルアジーズ国際空港が最も利用者数が多いものの、マディーナのプリンス・ムハンマド・ビン・アブドルアジーズ国際空港がそれに続き、巡礼者は総利用者数の16パーセントを記録しました」とアル=ハマシュ氏は述べた。

「次いでターイフ国際空港と、ヤンブープリンス・アブドル・ムフセン・ビン・アブドルアジーズ国際空港も利用されています」と同氏は続けた。

同氏はまた、また、ラマダン明けからシャウワール6日目まで、もしくはイード・アル・フィトル終了までの、主要空港を発着するチャーター便と定期便の発着便数の見込みについても説明し「予想される総飛行数は3万7000回を超え、前年比19%増という顕著な伸びを示しています」と述べた。

全体として、ウムラとイード・アル・フィトルの休暇は、ホスピタリティ産業の復活に重要な役割を果たしており、GCC地域全体で記録された堅調な業績の回復を示唆している。

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