
アンソニー・ローリー
東京:福島で10年前、津波による原発事故が起きたことから、原子力には強い反発があり、日本だけでなくドイツや他の国々でも危険すぎるという見方が拡がっていた。ところが最近、日本を含む各国で復活しつつある。
安定的でクリーンなベースロード電源としての原子力がなければ、地球とその住民の生存に不可欠と考えられるレベルにまで温室効果ガス排出量を削減する目標は達成できないとの認識があるためである。
米国では小型モジュラー原子炉(SMR)の研究開発が最優先課題となっており、日本をはじめ各国が参加している。中国は英国のように、すでにこの分野の先駆者であり、小型原子炉生産に向けた世界的な競争が激化する見通しだ。
原子力ルネサンスは将来のエネルギーミックスを考える上で、石炭や石油、ガスを利用した化石燃料による発電とともに、最近深刻な変動に苦しむエネルギー市場の安定性や予測可能性を高めるだろうと専門家たちは指摘している。