東京：西村康稔経済再生相は火曜、世界市場を混乱させ、信用を低下させている中国でのコロナウイルスの突然の発生により、企業収益と工場生産が打撃を受ける可能性があると警告した。

106人の死者を出し、複数の国に広がっている中国での伝染病が、世界経済の成長の原動力となっている世界第2位の経済へ打撃を与える懸念を強めたことから、アジア株は世界的に急落した。

西村再生相は閣議後の記者会見で「中国での感染拡大に加え、交通機関の混乱や中国からの団体旅行の中止、春節休暇の延長などによる中国、世界経済への影響も懸念される」と述べた。

「事態の収拾が長引けば、中国国内での消費、生産に影響を通じて、日本の輸出や生産、企業収益への悪影響を与える恐れがある」と同氏は語った。

中国は日本にとって2番目に大きな輸出先であり、日本の小売業者にとって巨大な市場である。日本を訪れる外国人観光客の30%が中国人で、昨年の外国人観光客の総消費額の40%近くを占めていることが、業界の調査で明らかになった。

春節休暇中に訪れる中国人観光客による売り上げの増加を期待する日本の百貨店や小売店、ホテルなどは、このウイルスの大流行により影響を受ける可能性がある。

大手百貨店である三越伊勢丹ホールディングス広報部は「このままウイルスの流行が続けば、売り上げや買い物客の数が減少するのではないかと心配しています」と語る。

「中国人観光客だけの話ではありません。私たちはまた、ウイルスの流行を懸念する日本人の買い物客が家に留まるのではないかと心配しています」

今回のウイルスの発生地である湖北省の省都武漢市に3つの工場を持つ自動車メーカーのホンダは、一部の従業員を避難させることを計画している。イオンは木曜日まで市内のショッピングモールを閉鎖する。

SMBC日興証券のエコノミストは、中国による海外団体旅行の禁止措置がさらに半年続ければ、日本の経済成長は0.05%押し下げられるとみている。

被害はさらに深刻になる可能性があるとの見方もある。

第一生命経済研究所の首席エコノミストである熊野英生氏は、中国からの観光客の減少は日本のGDP成長率を最大0.2%押し下げる可能性があると指摘した。

大勢の中国人観光客が日本を訪れることが予想される中、「最も懸念されるのは、東京オリンピック開催中まで感染が持続し、経済に打撃を与えるリスクです」と述べた。

「訪問者数が増えずに減ると、日本の消費産業への打撃はかなり大きくなります」

日本は2020年7月と8月にオリンピックを開催する。

ロイター