Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • イスラエル軍戦車、ハーン・ユーニス中心部に到達 ガザ南部に新たな脅威

イスラエル軍戦車、ハーン・ユーニス中心部に到達 ガザ南部に新たな脅威

イスラエル軍の戦車がガザ南部のハーン・ユーニス中心部に到達 (AFP通信)
イスラエル軍の戦車がガザ南部のハーン・ユーニス中心部に到達 (AFP通信)
2023年12月9日、イスラエルと武装組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエル軍がガザ地区南部のラファを早朝に空爆し、その残骸を見つめるパレスチナ人の子どもたち。(AFP通信)
2023年12月9日、イスラエルと武装組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエル軍がガザ地区南部のラファを早朝に空爆し、その残骸を見つめるパレスチナ人の子どもたち。(AFP通信)
2023年12月9日、イスラエルと武装組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエル軍がガザ地区南部のラファを早朝に空爆し、その残骸に集まる人々。(AFP通信)
2023年12月9日、イスラエルと武装組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエル軍がガザ地区南部のラファを早朝に空爆し、その残骸に集まる人々。(AFP通信)
2023年12月9日、イスラエルと武装組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエル軍がガザ地区南部のラファを爆撃し、被害を受けた幼稚園から本を運び出そうとしている女性。(AFP通信)
2023年12月9日、イスラエルと武装組織ハマスとの戦闘が続く中、イスラエル軍がガザ地区南部のラファを爆撃し、被害を受けた幼稚園から本を運び出そうとしている女性。(AFP通信)
Short Url:
11 Dec 2023 06:12:21 GMT9
11 Dec 2023 06:12:21 GMT9

ガザ/カイロ:イスラエル軍の戦車は10日、ハーン・ユーニス中心部まで到達し、ガザ地区南部の主要都市中心部への新たな大規模攻勢を開始した。この地域では数十万人の市民が、ガザの他の地域から避難してきている。

住民によると、戦車は一晩中続いた激しい戦闘を経て、ハーン・ユーニスの中央を通る主要な南北道路に到達した。東からのイスラエルの進軍はこの戦闘により停滞していた。攻撃地点の西側では戦闘機が爆撃を続けていた。

空は絶え間ない爆音が鳴り響き、市内上空には濃い白煙が立ち上っていた。市中心部の警察署付近で夜が明けると、機関銃の絶え間ない銃声が聞こえてきた。ロバの荷車に乗った老婆と少女を除いて、地域の通りに人の姿はなかった。

「非常に恐ろしい夜だった。抵抗は非常に激しく、何時間も止まらない銃声や爆発音が聞こえた」と、ガザ市から避難しハーン・ユーニスで避難生活を送る4児の父親はロイターに語った。報復を恐れ、彼は身元を明かすことを避けた。

「ハーン・ユーニスでは、戦車が街の中心にあるガマール・アブドゥル=ナーセル通りに到達した。狙撃兵が同エリアの建物に陣取った」と彼は語った。

イスラエル軍が以前はほぼ任務を完了したと言っていたガザ地区内の反対側、北部地域でも、住民はこれまでの戦争で最も激しい戦闘があったと語った。

スラエル軍は、ジャバリヤやガザ市のシェジャイヤ地区に侵攻し、武装勢力の激しい抵抗に遭遇している。これらの地域では数週間前に避難命令が出されたにもかかわらず、まだ住民が残っている。

「ここ数週間で体験した中で、最も激しい戦闘だと言えるだろう」と、同じく北部地域のベイトラヒヤで家を破壊され、ジャバリヤに避難している7児の父、59歳のナセル氏は語った。彼が話している間にも爆発音が聞こえた。「どんなことがあってもジャバリヤを離れるつもりはない。殉教者としてここで死ぬか、彼らが私たちを放っておいてくれるかだ」

イスラエルは、2007年以来ガザを支配してきたハマスの壊滅を誓っている。過激派が10月7日に境界フェンスを越えて侵入し、イスラエルの町々を襲撃、家にいた民間人家族を銃撃し1200人を殺害、240人の人質を奪った。

それ以来、ガザの保健当局によれば、イスラエルの攻撃で少なくとも1万7700人の死亡が確認され、さらに数千人が行方不明となっており、彼らはがれきの下で死亡したと推定されている。この死亡者数には、救急車が到達できない地域や病院が機能していないガザ北部地域の数字は含まれていない。

生きている者は?

北部に集中した数週間の戦闘の後、イスラエルは今週、ハーン・ユーニスに侵攻して南部の地上攻撃を開始した。現在はガザ地区のほぼ全域で戦闘が行われており、国際援助組織によれば、ガザ地区の230万人は隠れる場所を失ったという。

夜間の爆撃で家屋を破壊されたハーン・ユーニスの現場では、死者の親族が放心状態でがれきを掘り返していた。彼らは黄色いTシャツを着た中年男性の遺体を石積みの下から引きずり出した。

「夜の祈りを捧げて眠り、目が覚めたら家が倒れ、私たちに覆いかぶさっていた。『生きている者は?』と叫んだ」とアフマド・アブデル・ワハブさんは述べた。

「建物の3階以上が崩れ落ち、皆はその下敷きになっている」と彼は語った。「母と父、妹と弟、いとこたち全員だ」

ハーン・ユーニスの主要な病院であるナセル病院は、死傷者であふれかえっている。10日には、毛布やカーペットに包まれた負傷者たちが運び込まれ、救急部の床は足の踏み場もないほどだった。イスラエルの狙撃兵に息子を殺されたというモハメド・アブ・シハブさんは泣き叫びながら、復讐を誓った。

イスラエル軍は、ハーン・ユーニスの地下トンネルを爆撃し、待ち伏せ攻撃を準備していたパレスチナの武装部隊を攻撃したと発表したが、戦車の前進については何も述べていない。

ガザ住民の大半は、家を追われ、持てる物だけを持って避難を繰り返している。イスラエルは、市民を保護するためにできる限りのことをしていると主張しているが、最も近い同盟国である米国でさえ、その約束は果たされていないと言っている。

イスラエルの包囲によって物資は途絶え、国連は大規模な飢餓と病気の発生に警告を発している。

100人以上の人質が解放された1週間の休戦の主要な仲介役を務めたカタールの首都ドーハで開かれた国際会議では、アラブの外相たちが、人道的停戦を要求する8日の国連安保理決議に拒否権を行使した米国を批判した。

カタールのシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・アール・サーニー首相は、戦争は中東全体の世代を急進化させるリスクがあると述べた。ヨルダン外相は、イスラエルの作戦はパレスチナ人をガザから追い出すことを目的としており、その行為はジェノサイドの法的定義に合致すると述べた。これに対しイスラエルは、同主張はひどい中傷であると反論した。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は、停戦を訴えることを「あきらめない」と述べた。

「私は安全保障理事会に対し、人道的大惨事を回避するよう強く求め、人道的停戦を宣言するよう改めて訴えた」とグテーレス氏は述べた。「残念ながら、安全保障理事会はそれを実行することができなかったが、これはそれが必要ないということを意味しない」

イスラエルは戦闘停止の要求を退けている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は10日の閣議で、フランス、ドイツ、その他の国の指導者たちに次のように語ったという。「一方でハマスの排除を支持しながら、他方で戦争を終わらせるよう圧力をかけることはできない。それはハマスの排除を阻止することになる」

ロイター

特に人気
オススメ

return to top