Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • バイデン氏、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人を攻撃したイスラエルの入植者4名に制裁を科す

バイデン氏、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人を攻撃したイスラエルの入植者4名に制裁を科す

ジョー・バイデン大統領は1日に、占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ人への攻撃を行ってきたイスラエルの入植者を対象とする大統領令を発令し、初期段階として4名の個人に金融制裁とビザ発給停止を科した。(AFP/資料)
ジョー・バイデン大統領は1日に、占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ人への攻撃を行ってきたイスラエルの入植者を対象とする大統領令を発令し、初期段階として4名の個人に金融制裁とビザ発給停止を科した。(AFP/資料)
Short Url:
02 Feb 2024 05:02:39 GMT9
02 Feb 2024 05:02:39 GMT9
  • 入植者らは暴力行為のほか、パレスチナ人の財産を破壊もしくは奪取しようとする脅迫および企てにも関与した
  • 制裁の目的は、この4名が米国の金融システムを使用できないようにし、米国民がこの4名と取引するのを禁じること

ワシントン:ジョー・バイデン大統領は1日に、占領下のヨルダン川西岸地区でパレスチナ人への攻撃を行ってきたイスラエルの入植者を対象とする大統領令を発令し、初期段階として4名の個人に金融制裁とビザ発給停止を科した。

大統領令によると、この入植者らは暴力行為のほか、パレスチナ人の財産を破壊もしくは奪取しようとする脅迫および企てにも関与したという。制裁の目的は、この4名が米国の金融システムを使用できないようにし、米国民がこの4名と取引するのを禁じること。米国政府関係者は、イスラエルとハマスの戦争中に激化してきた攻撃に関与した他の人々に制裁を科すべきかを検討中だと述べた。

パレスチナ当局は、殺害されたパレスチナ人もいるとしており、人権団体は、入植者が車に火をつけ、ベドウィン(アラブ系遊牧民)の小さなコミュニティを攻撃し、避難を強いたという。

ガザを統治する武装組織ハマスが10月7日にイスラエルを襲撃したことで始まった戦争において、犠牲者が増える中、バイデン氏は政府の強固なイスラエル支援により高まる批判に直面している。

同氏の大統領令は、米国にとって中東で最も緊密な同盟国であるイスラエルに対する異例の措置で、バイデン氏は同国には自衛権があるとしている。しかし、民主党の大統領であるバイデン氏は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が率いるイスラエル政府に、ハマス殲滅を目的とした軍事作戦における一層の自制を求めている。

バイデン氏は、イスラエルの入植者による報復攻撃を非難しており、この暴力に関わった人々に責任を負わせると誓っている。同氏は10月下旬に、「過激派入植者」による暴力は、既に中東で燃え盛る火に「油を注ぐ」ものだと述べた。「止めなくてはならない。責任を負わせるべきだ。今すぐ止めるべきだ」と、バイデン氏は語った。

戦争開始以降、イスラエル国防軍はヨルダン川西岸地区全域で襲撃を激化させてきた。ハマスの戦闘員はヨルダン川西岸地区にいるものの、同地区はイスラエルの支配を受けているため、戦闘員は主に地下で活動している。パレスチナ人は、イスラエル軍が入植者の攻撃を阻止しないと非難しており、時には入植者を保護しているという非難もある。

ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官は、31日にホワイトハウスで、イスラエルのロン・ダーマー戦略問題担当大臣と会談した。米国政府関係者は、イスラエル政府は今回の制裁について事前に知らされていたと述べた。

今回の大統領令は、暴力に関与した入植者に金融制裁を科す権限を財務省に与えることになるが、米国民を対象としたものではない。ヨルダン川西岸地区の入植者の相当数が米国籍を有しており、彼らは米国法のもとで制裁対象の個人との取引を禁止される。

米国会議員は、入植者の暴力および脅迫において米国民や二重国籍者が果たす役割に的を絞っている。先月の書簡の中で、上院外交委員会の委員長であるベン・カーディン上院議員は、パレスチナ人への攻撃に関与した米国民に対して措置を講じるよう政府に要請した。措置は刑事告訴および金融制裁を含み得ると、同議員は述べた。

「ヨルダン川西岸地区の一部の入植者による、パレスチナ人の生活だけでなく、地域の平和をも脅かす過激な活動に対して、強力なメッセージを送るべきだ」と、カーディン議員(民主党・メリーランド州)は1日に記者団に述べた。

バイデン氏の大統領令を最初に伝えたのはポリティコだった。

イスラエルの入植者による暴力を擁護し、入植地拡大を呼びかけるイスラエルの極右派大臣らに制裁を科す予定はない、関係者は述べた。

大統領選の鍵となる州で労働組合員からの支持を得るため、1日にバイデン氏がミシガン州を訪問する予定となっていた中で、この新たな大統領令が発令された。民主党のバイデン大統領は、ハマスとの戦争への対応をめぐって、アラブ・イスラム世界の指導者からの激しい批判を受けており、この紛争の影が、11月の選挙結果に大きな影響をもたらす可能性を、一部の民主党員が懸念している。

バイデン氏の選挙運動チームは既に、ミシガン州のアラブ系米国人コミュニティとの不和の拡大という警戒すべき兆候を確認している。

先週、バイデン大統領の選挙対策本部長ジュリー・チャベス・ロドリゲス氏がデトロイト郊外を訪問したところ、多数のコミュニティ指導者が同氏との面会を望んでいないことが分かった。バイデン氏の対イスラエル政策に不満を抱く一部の人々は、本選挙でバイデン氏を支持しないよう有権者に働きかけている。

国務省は12月に、占領下のヨルダン川西岸地区で最近多発するパレスチナ人への攻撃に関与した過激派ユダヤ人入植者らに渡航禁止を科すと発表した。

同省は個々のビザ停止措置について発表しなかった。しかし関係者は当時、「数十人の」入植者およびその家族が停止措置の対象となり、暴力が続けば、より多くの人々が対象となるだろうと述べた。

AP

topics
特に人気
オススメ

return to top