• 準国営タスニム通信の報道では詳細はほとんど伝えられていない
• イランは、120万人以上に感染し、約5万5千人が死亡した中東で最悪のウイルスの蔓延を食い止めるのに苦労している

テヘラン：米国に拠点を置く詳細不明の慈善団体が、今後数週間でファイザー社のワクチン15万回分をイランに送ることを計画しているとイランのメディアが月曜日に報じた。中東で最も被害の大きいイランで国民のコロナウイルスワクチン接種が近づく可能性がある。

準国営タスニム通信の報道では詳細はほとんど伝えられていない。同通信社がイラン赤新月社の責任者を引用して伝えたところによると、同氏はアメリカの製薬会社ファイザーとドイツのパートナー企業BioNTechによって作成されたワクチンが、アメリカの後援者団体との調整に基づいて1月19日までに輸入されることを期待しているという。

イランは、120万人以上に感染し、約5万5千人が死亡した中東で最悪のウイルスの蔓延を食い止めるのに苦労している。

イラン赤新月社のディレクター、カリム・ヘマティ氏は、同組織は追加のワクチン100万回分を受け取ることを計画していると述べた。日曜日に半公式のニュースサイトKhabaronline.itが報じたところによると、このワクチンは中国から送られてくるという。ワクチンは国民に無料で提供されるとヘマティ氏は述べた。

当局は以前、ファイザー社のワクチンは摂氏マイナス70度（華氏マイナス94度）で輸送・保管されなければならないため、同ワクチンの輸入はイランの物流にとって大きな課題となると述べていた。

イランは、コロナウイルスワクチンを貧富の差に関係なく参加国に配布することを目的とした国際的な計画、COVAXに参加している。同計画はGAVIワクチンアライアンスなどが主導している。GAVIによると、米国財務省の外国資産管理室はすでにイランの参加を許可しているという。米国財務省はイランの参加に反応していない。

イラン中央銀行のアブドルナセル・ヘマティ総裁は先週、国営テレビの取材に対し、イランはCOVAXから1,700万回分近くのワクチンを入手するために、銀行名を伏せて、「第三国」の銀行を通じて2億4,400万ドルを送金する承認を得たと語った。同氏は、どのワクチンを入手するのか、どのように送金するのかなどの詳細は明らかにしなかった。COVAXの規則では、イランは最大で人口8,200万人の半分にワクチンを接種するのに十分な量を注文することができる。

ハサン・ロウハニ大統領は土曜日、押収される恐れがあるため、イランは米国の金融機関を通じたCOVAXの支払いを拒否するだろうと述べた。パンデミックが始まって以来、イランの政治家たちは、ウイルスの蔓延とワクチン生産について反米的な陰謀論を強く主張し、米国の援助の可能性を否定してきた。
「誰があなた方を信用するというのか。我々の金を見つければそれがどこであれ我々の金を盗んだというのに」とロウハニ氏は述べた。

同氏は、イランは外国製ワクチンの人体実験には参加しないと付け加え、輸入ワクチンと国産ワクチンを国民に提供することを約束した。

イランの国産ワクチンは、第1相臨床試験に間もなく入ることになっており、国中の54人のボランティアが2回の注射を受けるために登録している、と国営イラン通信が報じた。イランのワクチン研究は、アメリカの重い制裁がイスラム共和国（イラン）の集団接種の取り組みを妨げると当局が主張する中で急務となっている。

イランは制裁にもかかわらず、COVAXへの参加といったワクチンの入手先を保持しているが、国際的な銀行や金融機関はアメリカによる処罰を恐れてイランとの取引には消極的だ。

一方、イランのイスラム革命防衛隊の強硬派関係者は、外国製ワクチンの使用を全面的に拒否している。先週、イスラム革命防衛隊の副隊長、Mohammad Reza Naghdi将軍は、イスラム革命防衛隊は細胞がタンパク質を作るための指示を伝えるメッセンジャーRNAとして知られている遺伝物質に基づく「いかなる外国製ワクチン候補の接種も推奨しない」と述べた。

AP通信