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イスラエル、墓地破壊動画が拡散するなかエルサレムの文化行事を標的

2021年10月29日、東エルサレムのアル・アクサモスク敷地内ライオン門入り口からほど近いユーズフィーヤ墓地で抗議するパレスチナ人を追い払うイスラエル治安部隊兵士。(AFP)
2021年10月29日、東エルサレムのアル・アクサモスク敷地内ライオン門入り口からほど近いユーズフィーヤ墓地で抗議するパレスチナ人を追い払うイスラエル治安部隊兵士。(AFP)
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31 Oct 2021 04:10:32 GMT9
31 Oct 2021 04:10:32 GMT9
  • 今週になって市を管轄するイスラエルの行政機関はエルサレム旧市街を取り囲む城壁の外側にある神聖な土地、ユーズフィーヤ墓地の更地化に着手した
  • またイスラエルの私服警官や治安機関職員が東エルサレムのカトリック教会アブラハムの家で開かれていた文化行事を「不法行為である」として中止させていた

ダオウド・クタブ

アンマン:エルサレムに住むキリスト教徒やイスラム教徒に対するイスラエル政府の侵略的行為が増えていることで米国とイスラエルの間の軋轢が増し、関係悪化が懸念されている。

今週になって市を管轄するイスラエルの行政機関はユーズフィーヤ墓地の更地化に着手した。同墓地はエルサレム旧市街を取り囲む城壁の外側にあり、1967年の第三次中東戦争で戦死したヨルダン人兵士など多数の死者が眠る神聖な場所だ。

死者のパレスチナ人家族らが墓石にしがみつくなか行われた墓地破壊の動画や画像は世界中に拡散され反響を呼んでいる。

画像にはユダヤ教徒の民族衣装キッパーを身に纏うイスラエル市民が当局側と共に破壊に参加する様子が写っている。

イスラエルの地元当局者は、パレスチナ人も利用することになる公共公園を造成するために墓地は移転されなければならない、としている。だが地元民の多くは本当の目的がアル・アクサモスクへ繋がる道を作るためであることを恐れている。

エルサレムのヨルダン人ワクフ評議会の代表アッザム・カティブ氏はエルサレムおよびアル・アクサを取り巻く状況は「いつ爆発してもおかしくない」と警告する。

ウェブサイトのアクバレルバラドとのインタビューでカティブ氏は状況が「さらに悪化する」と想定していることを明らかにした。

同氏は「1967年のエルサレム占領以来、この街にある我々の土地はすべて収用の脅威にさらされ続けている」と付け加えた。

エルサレム市民の多くは自身の土地や神聖な場所を断固として守る考えだ。だが同氏は「我々は自由主義諸国や共にイスラエルによる制約に直面するキリスト教徒の隣人の支援を必要としており、そうした他者の支援が重要だ」と語った。

一方10月27日には、イスラエルの私服警官および治安機関職員が東エルサレムのカトリック教会アブラハムの家(Maison d’Abraham)で開かれていた文化行事を「不法行為である」として中止させていた。

この宗教プログラムはラマッラーのパレスチナ政府が支援していた。

中止命令は1945年に当時統治していたイギリスが発行した国防(緊急事態)規則に基づいてイスラエルのオメル・バーレブ公共安全大臣が署名したものだった。

聖地カトリック教会司教会議の顧問でメディア広報担当のワディエ・アブー・ナッサール氏はアラブニュースに対して、イスラエルの命令は「完全に誤った情報」に基づいており、教会側は「エルサレムのすべての人々と協力することを使命としている」と話した。

同氏は「行事資金はフランスおよびオーストリアから送られている。いずれにせよエルサレムは占領下にある土地であり、このような一方的な決定はパレスチナ人に対して実施されるべきではない、というのが私たちの考えだ」と述べた。

米国のジョー・バイデン大統領が約束したエルサレムの米領事館再開や占領地における違法な入植用住宅の建設中止についてもイスラエルと米国は表立って意見が相違している。

イスラエルは、オスロ合意をもってパレスチナは東エルサレムにおけるすべての権利を放棄したため、パレスチナ政府は(現地の)パレスチナ人といかなる接触を持つ権利を有さない、と主張している。

だがパレスチナ政府指導部はこの主張を認めていない。パレスチナとイスラエルの間で交わされたオスロ合意においてエルサレムは5年の暫定期間の間に統治権について協議される5箇所の占領地域の1つとされていた。

イスラエル政府は東エルサレムにすでにある組織の存在を尊重することを文書で約束したが、前出のイギリス国防規則を盾にパレスチナ関連施設であるオリエント・ハウスおよび商工会議所を閉鎖した。

東エルサレムにおける公共行事の多くはイスラエル政府の命令を受けて禁止された。

2020年には高校卒業を祝うパレスチナ人がイベント中止を命じられていた。

パレスチナ国立劇場で開催されていた人形祭りや東エルサレムにおける違法薬物使用の蔓延を調査する映画のプレミア上映も中止されていた。

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