• アル・メマリ氏は、世界最高峰のエベレストに登頂した最初のアラブ首長国連邦人でもある
• 7月22日、サイード・アル・メマリ氏はK2に登頂した最初のアラブ首長国連邦人となった

ニサール・アリ

ギルギット：先週K2に登頂したサイード・アル・メマリ氏は、世界でもっとも危険な山の頂上に到達した最初のアラブ首長国連邦人となった。彼がアラブニュースに語ったところによると、この偉業は彼の「平和という特別な使命」におけるマイルストーンにもなっている。

標高8,611メートルのK2は、パキスタン統治下のカシミール地方であるギルギット・バルティスタン州と、中国統治下の新疆ウイグル自治区内のカシミール地方にまたがる、カラコルム山脈にある。

エベレスト（8,849メートル）に次いで世界で2番目に高い山であり、その険しい地形と不安定な天候から「野蛮な山」とも呼ばれ、もっとも登頂が困難な山のひとつである。K2登頂に挑戦した人の6人に1人は、その挑戦中に亡くなっている。

私はこれまで世界中の100座以上の山に登ってきました。これ（K2）は私にとって大きな挑戦でしたが、神のご加護により、成功することができました。

サイード・アル・メマリ氏

7月22日、アル・メマリ氏は、今夏にK2登頂を記録した87人に加わった。アル・メマリ氏が最初のアラブ首長国連邦人の登頂者として記録されたのはこれが初めてではない。彼は2011年にエベレストを登頂した最初のアラブ首長国連邦人となった。

アラブ首長国連邦初のK2登頂者である、フジャイラ出身のサイード・アル・メマリ氏。7月22日、K2山頂を目指す他の登山家と一緒に（写真/サイード・アル・メマリ氏）

アル・メマリ氏は今週初め、アラブニュースの独占インタビューで次のように述べた。「私はこれまで世界中の100座以上の山に登ってきました。これ（K2）は私にとって大きな挑戦でしたが、神のご加護により、成功することができました」

今年の登頂数は過去最高であり、より多くのアラブ諸国の登山家が世界でもっとも厳しい山の登頂を目指すきっかけになるかもしれないと彼は考えている。

「アラブ諸国の登山家の多くが、K2に登りたいと思っているでしょう」とアル・メマリ氏は語った。「今年はK2登頂の成功者がもっとも多かったと思います。それがアラブ人登山家のK2登頂への扉を開くことになるでしょう」

この45歳のフジャイラ生まれの登山家にとって今回の登頂は、祖国から寛容と愛のメッセージを広めるために世界最高峰に登るという「ピーク・フォー・ピース（平和のための登頂）」ミッションの一環であった。  

「私は首長国連邦の山岳地帯で生まれました。そして私の夢は、世界で一番高い山の頂上に、自分の（国の）旗と平和のメッセージを掲げることでした」と彼は語った。「私たちの宗教は平和に基づいています。私はただ、平和のメッセージを送りたいのです」

アル・メマリ氏がこれまでに登頂した山には、七大陸最高峰であるセブンサミッツや、パキスタンで初めて登ったブロードピーク（8,051メートル）などがある。そして彼はすでに、パキスタンで2番目に高い山に目を向けている。

彼はヒマラヤ山脈の8,126m峰を指して、「来年までに機会があればナンガ・パルバットを登ります」と語った。

アル・メマリ氏にとって、パキスタンとその国民は特別な存在なのである。「（彼らはとても謙虚です）。私は彼らを家族だと思っています」と彼は語った。

「私はパキスタンの人々のアラブ首長国連邦に対する愛情を目の当たりにしてきました。それは言葉では説明できないものです」と彼は続けた。「パキスタンを訪れれば、くつろいだ気持ちになり、その美しさを楽しむことでしょう」

しかしアル・メマリ氏は、その美しさが将来どうなるかを心配しており、特に最近、経験の浅い登山家がスリルを求めて挑戦している、この国の象徴的な山々の将来を懸念している。

「彼らは美しい山々を破壊しています」とアル・メマリ氏は語った。「次の世代も山の美しさを享受できるように、山を管理するためのルールがもっと必要です」