パレスチナの保健当局は3日、ガザ地区でのイスラエルの空爆で少なくとも1人が死亡し、5人が負傷したと発表した。

2日夜、複数のパレスチナ武装組織が約100発のロケット弾をイスラエル南部に発射し、その後しばらくは、双方ともに目立った動きはないまま緊迫した空気が流れていた。イスラエル軍は、ガザ地区の武装組織ハマスに属するトンネル、武器生産拠点、軍事施設を空爆したと述べている。

ガザ地区のパレスチナ保健省は、ガザ市へのイスラエル軍の空爆でハシル・ムバラクさん（58）が死亡したと発表した。家族によると、ムバラクさんは落下した瓦礫によって負傷し、病院で死亡したという。

双方からの国境を越えた攻撃は、2021年にイスラエルとガザのパレスチナ人武装勢力との間で11日間にわたって行われた戦闘以来、最も激しいものであった。始まったのは、パレスチナ武装組織「イスラム聖戦」幹部のハデル・アドナン氏が約3カ月間のハンガーストライキを経てイスラエルの拘束下で死亡し、パレスチナ人がヨルダン川西岸とガザ地区でゼネストと抗議デモを開始した数時間後のことだった。

アドナン氏の事例は、長期のハンガーストライキを、罪状や裁判なしに人々を拘束するイスラエルの行政拘禁の慣行を主な標的に、パレスチナ人拘留者が抗議手段として用いるきっかけとなるだろう。

武力行使の急拡大は、パレスチナ人による暴力に対して厳しい対応を求めてきた、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるイスラエル史上最右派と目される現政権にとっては試練となる。政府のメンバーは、ガザからのロケット弾攻撃に対する自らの指導部の対応に批判を浴びせている。極右政党「宗教シオニズム」所属の閣僚、オリット・ストラック氏は、イスラエルの公共放送協会「Kan」のラジオ放送で、イスラエルは「犠牲者を出す」ことをしなかったとの不満を表明した。

「ガザで建物を数棟破壊する必要があったし、主なテロリストたちの一部には、刑務所で死んだ友人（アドナン氏）のところに行ってもらうべきだった」と彼女は言った。

昨年、イスラエルとパレスチナの衝突の中心地となったイスラエル占領下のヨルダン川西岸地区では、イスラエル軍は同国市民に犠牲者を出した攻撃を10月と11月に行った2人のパレスチナ人の家を破壊した。

イスラエルは、家屋の取り壊しは将来の攻撃を抑止するためのものだと言うが、批判勢力は、取り壊しは加害者の家族に対する集団罰に等しく、パレスチナ人との緊張を悪化させるだけだと懸念している。

イスラエル軍は、ヨルダン川西岸地区北部の町ハリスにあるムハンマド・スーフ氏の家を破壊したと発表した。スーフ氏は18歳（享年）のパレスチナ人で、11月にユダヤ人入植地で刃物での襲撃と車による突入攻撃でイスラエル人3人を殺害し、その後現場で殺害された。

軍はまた、10月に一人のイスラエル人男性を刃物で刺した疑いで逮捕されたパレスチナ人男性のヨルダン川西岸の自宅を取り壊したことも明らかにした。刺されたシャロム・ソファーさんはその後、傷が原因で死亡した。

イスラエルとヨルダン川西岸地区のパレスチナ人たちは、この1年間、激化する戦闘状態から出口を見いだせていない。イスラエル軍の攻撃により約250人のパレスチナ人が死亡し、イスラエル人に対するパレスチナ人の攻撃で49人が死亡している。

AP