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イスラエル、西サハラに対するモロッコの主権を認める

イスラエルの地中海沿岸都市テルアビブにおける公式セレモニーで撮影されたイスラエルとモロッコの国旗。(AFP/資料)
イスラエルの地中海沿岸都市テルアビブにおける公式セレモニーで撮影されたイスラエルとモロッコの国旗。(AFP/資料)
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18 Jul 2023 05:07:51 GMT9
18 Jul 2023 05:07:51 GMT9
  • モロッコ政府は西サハラの80%近くを管理しており、豊富なリン酸塩と漁場のあるこの地域全体を自国の領土と見なしている

ラバト:イスラエルは係争中の西サハラ地域に対する「モロッコの主権を認める」ことを決定したと、ラバトの王室事務局が、イスラエル首相からの書簡を引用し、17日に発表した。

書簡によれば、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はモロッコのモハメッド6世に、鉱物資源が豊富なこの砂漠地域に対する「モロッコの主権を認めるイスラエル国の決定」を伝えたと、王室事務局は声明で発表した。

この書簡の中でネタニヤフ氏は、イスラエルは西サハラのモロッコ領内に位置する「ダフラの街に領事館を開くこと」を検討していると述べている。これはモロッコ政府が長らく求めていた動きだ。

イスラエルはAFPの取材に対し、モロッコの声明の内容は事実だと認めた。

イスラエルのエリ・コーヘン外相は、ネタニヤフ氏の発表により、「両国および両国民の関係と、平和と地域の安定を促進するために継続している協力が強化される」と述べた。

イスラエル国会の議長を務めるアミール・オハナ氏は、6月初旬にラバトを公式訪問し、自国は西サハラに対するモロッコの主権承認「に向けて進むべき」だと述べた。

オハナ氏は、この問題に関して両国の間で「真剣な議論」が行われており、ネタニヤフ氏は「近いうちに自身の決定を発表することになる」と述べていた。

西サハラをめぐっての議論は1975年にまで遡る。この年、植民地支配を行っていたスペインが地域から撤退したことで、モロッコとこの地域で独立国家建設を目指すポリサリオ戦線の間で15年にわたる戦争が勃発した。

モロッコ政府は西サハラの80%近くを管理しており、豊富なリン酸塩と漁場のあるこの地域全体を自国の領土と見なしている。

モロッコ政府がこの広大な砂漠地帯について限定的な自治権を提唱する一方で、アルジェリアが支援するポリサリオは独立を求め、国連の監督のもとで民族自決についての住民投票を行うことを求めてきたが、実現には至っていない。

2020年後半から、ポリサリオは「正当な防衛戦争」を行っているとして、地上、海、空域を含む西サハラ全域を「交戦地帯」と宣言している。

17日の王室事務局からの声明によると、ネタニヤフ氏の書簡には、イスラエルの決定は国連、国際組織、イスラエルと外交関係がある全ての国に伝えられると記されている。

「アブラハム合意」として知られる、米国が支援したアラブ諸国との一連の同様の協定の一環として、モロッコとイスラエルは2020年12月に国交正常化を行った。

モロッコ政府はイスラエルとの国交正常化の見返りとして、米国政府から西サハラに対するモロッコの主権の承認を取り付けた。

以来、イスラエルとモロッコの安全保障、貿易、観光の面での協力は拡大してきた。

しかし、政治家らがより密接な関係を推進する一方で、モロッコの民衆の一部は、イスラエル政府内にパレスチナとのさらなる話し合いに反対する超国家主義者が存在することに警戒を抱いている。

西サハラに対するモロッコの主権を認めるイスラエルの決定は、北アフリカに位置する隣国同士のモロッコとアルジェリアが昨夏に外交関係を断ったあと、両国の対立が高まる中で下された。

AFP

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