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WHOがCOVID-19を世界的なパンデミックと宣言した1年後、サウジアラビアはどのように対処してきたのか?

2020年10月4日、サウジのハッジ・ウムラ省が配布した資料写真には、聖地メッカのグランドモスク複合施設で、カーバ神殿の周りを回っているサウジアラビア国民と外国人住民たちが写っている。(資料写真/AFP通信)
2020年10月4日、サウジのハッジ・ウムラ省が配布した資料写真には、聖地メッカのグランドモスク複合施設で、カーバ神殿の周りを回っているサウジアラビア国民と外国人住民たちが写っている。(資料写真/AFP通信)
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12 Mar 2021 01:03:33 GMT9
12 Mar 2021 01:03:33 GMT9
  • 1日当たりの新型コロナウイルスによる死亡者数とその新規感染者数は、昨年の夏をピークとして大幅に減少している
  • 王国は多くの国々よりも迅速に行動したことが、こうした数字に影響をもたらした

ジョナサン・ゴーナル

2020年7月5日、サウジアラビアで58人が死亡し、後にも先にも国内で確認された最悪の1日当たりの死亡者数となり、王国でのCOVID-19のパンデミックによる死亡者は最多を記録した。

世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルス感染症、COVID-19 の世界的な感染拡大をパンデミックだと宣言してから1年が経とうとする直前の3月10日、王国でこの感染症により死亡したのは6人だけだった、と同保健省が発表した。

これは、この1年間のサウジアラビアのパンデミック対応がいかに効果的であったか、ということを示す数値のうちの1つにしかすぎない。

サウジアラビアは2020年3月2日、初の感染者を発表し、それ以来380,958人が感染している。これは世界で42番目に多い感染者数だが、人口100万人当たりの感染者数としては、10,827人に相当し、世界平均の人口100万人当たりの感染者数が15,183人なので、はるかに良い数字ということになる。

この尺度に従えば、この地域のイスラエル、バーレーン、カタール、レバノン、クウェート、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン、イラン、イラクをはじめとして、サウジアラビアの人口100万人当たりの感染者数よりも感染者数が上回っており、世界の114カ国で、感染者率がもっと悪いことになる。

多くの欧米諸国が、サウジアラビアより上手く対処できていない。100万人当たり89,683人が感染しているアメリカは、世界ワースト8位となっている。イギリスでは、100万人当たりの感染者数が62,158人だ。

2020年3月25日、王国で初のCOVID-19感染者が発表された3週間後、サウジアラビアは初の死亡者を正式発表した。

これ以来、2021年3月10日現在までのところ、6,545人がこの感染症で死亡している。累計死亡者数という尺度で、サウジアラビアのこの数字は世界全体で44位になる。

今一度断固として申し上げるが、これは、王国が多くの国々よりも上手く対処しているということだ。人口比率による死亡者数という尺度で見ても、サウジアラビアは100万人当たり186人で、世界でワースト100位となっている。

186人というのは、王国の100万人当たりの死亡者数が、世界平均の336.8人を大幅に下回っていることを意味しており、イギリス(100万人当たり1,853人)、アメリカ(100万人当たり1,627人)、フランス(100万人当たり1,366人)、ドイツ(100万人当たり870人)をはじめとして、多くの欧米諸国の100万人当たりの死亡者数よりもはるかに下回っており、良い数字だ。

この尺度に従っても、サウジアラビアはレバノン、イラン、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ、トルコ、リビア、イラク、オマーン、バーレーン、クウェートをはじめとする地域の近隣諸国を凌いでいる。

この尺度によれば、湾岸協力会議(GCC)のパートナー国の中では、UAE(人口100万人当たり135人)とカタール(人口100万人当たり945人)だけが、サウジアラビアよりも上手く対処していることになる。

2020年6月17日、サウジアラビアでは1日4,919人が感染し、このパンデミックによる新規感染者数としては最多となった。2021人3月9日、PCR検査により確認された新規感染者数は、わずか367人だった。

昨年9月に発行された調査に基づいた長文記事によるアラブニュースのジャーナリズム部門、Deep Diveの特別版でアラブニュースが報じたように、王国は新型コロナウイルスの影響を軽減するために、多くの国よりも迅速に動いていた。

2020年2月1日、同国が初のCOVID-19感染者を公式発表する少なくとも1カ月前、国内のあらゆる主要官庁・機関から構成された委員会が、同国の対応を検討するために立ち上げられていた。

このウイルスが初めて発生した中国に対して、航空便による渡航が禁止され、それから感染率が上昇しているその他の国々も次々と禁止された。

国境は閉鎖され、企業や学校も閉鎖され、ロックダウンと夜間外出禁止令が発令された。そして、厳格な検査体制が導入されて、8月31日までにCOVID-19のPCR検査は、500万件以上実施された。

指示はこの国のまさにトップから出ていた。昨年の3月19日、サルマーン国王はテレビで、国民に向けて士気を高める演説を行い、国民が「共有すべき責任感を今一度強く持つ」ように訴えかけていた。

「この困難な局面…の中でさえ、皆さんは精神的な強さ、確固たる態度、決意を実証してきました」と、国王は述べた。「そして、政府関連機関への皆さんの全面的な協力こそが、この国の取り組みを成功に導く最も重要な原動力となり、支えとなるのです」

10日後、国王は王国でのCOVID-19の治療を全患者無料にするように命じた。これには、滞在や就労の許可に違反したり、入管法に違反をしたりした者たちも含まれており、「官営・民営の病院や医療施設で治療を無料で受けられるようにし、法的責任を一切問わないようにする」との命令だった。

このパンデミックが進行するにつれて、大小の規模にかかわらず、イベントは中止され、モスクでさえ閉鎖された。ウムラでは外国人巡礼者の参加が中止され、7月にハッジは、同国の国民や既に居住している外国人から選抜され、巡礼者のうち代表1,000人に限定された。

世界中から250万人の巡礼者たちがメッカに集結した2019年のハッジと比べれば、人数的にはごくわずかだが、2020年のハッジは運営体制の勝利であり、たった1人のCOVID-19感染者を出すこともなかった。

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