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アバターのゲームで「息を呑むようなパンドラの世界」を探検してほしい:プロデューサーのジョン・ランドー氏

『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』がサウジアラビアで発売。(YouTube)
『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』がサウジアラビアで発売。(YouTube)
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17 Dec 2023 02:12:39 GMT9
17 Dec 2023 02:12:39 GMT9

アラブニュース

ドバイ:エートス(倫理観)が内包するシリーズ作品は珍しいが、アバターは他のシリーズものとは一線を画している。だからこそこれほど成功しているとも言えるだろう。今年公開されたシリーズ第2作目の映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は、2009年の第1作目より2つ順位を下げたものの、全世界で歴代3位の興行収入を記録した。超大作を狙った高予算映画からの観客離れがかつてないほど顕著に進む中で、驚異的な快挙である。2作目のリリースから1年が経過し、2年後の次回作に熱い期待が寄せられている今、ナヴィが帰ってきた。長年かけて開発された広大なオープンワールドゲーム『アバター:フロンティア・オブ・パンドラ』が、サウジアラビアで発売されたのだ。

アバターの成功の鍵は何だろうか? アバターの製作者たちは、プロセスだけでなく人間性そのものに重きを置いている。監督のジェームズ・キャメロン氏とプロデューサーのジョン・ランドー氏が作り上げたのは、非凡なSF作品であると同時に、入植者の植民地支配に抵抗する先住民の反乱と、強欲が必然的に生み出す著しい環境破壊を描く力強い寓話の世界だった。それは決して、偶然ではない。

「目指しているのはまさにそれなのですが、あからさまにはしません」と、ランドー氏はアラブニュースに語る。「説教くさくなると、すでに意識改革している人々にしか届きません。私たちは刺激を与える存在でありたい。このゲームを手に取ってもらい、プレイし終わった後で『そういえば、悪役のRDAがやっていたことはアメリカ先住民に対する行為にそっくりだ。現代ブラジルの熱帯雨林で起きていることにもよく似ている』などと言ってほしいのです」

「最終的に、ゲームをプレイした人が現実でそのような会話を始めたら本当の成功と言えるでしょう」と、ランドー氏は述べる。彼は歴代興行収入第4位の映画『タイタニック』で、キャメロン氏とタッグを組み始めた。

上記のようなテーマが映画で描かれることはまれで、ゲームの世界ではさらに少ない。ゲーム業界は今も『コール オブ デューティー』や『レインボーシックス』のような近代戦シリーズが主流で、中東の人々はたとえば、使い捨て要員の兵士役などを担っていることが多い。2009年に『アバター THE GAME』で初めてプレイ可能な世界を作り上げようとした際、ランドー氏とキャメロン氏は自分たちが求める反体制的要素を理解してくれる開発者を必要としていた。そして、以前似たような思想を扱って名作『アサシン クリード III』を生み出したUbisoftに白羽の矢を立てた。

ランドー氏はこう語る。「私たちの世界のエートスとテーマを受け入れてくれて、新たな環境をもたらし、こちらの構想に忠実であり続けるパートナーが必要でした。単に映画のストーリーを再現するのではなく新たなフロンティアを開拓したかったのですが、それには細心の注意を払わなければなりませんでした。アバターに対する一定の期待値があるからです。」

ランドー氏によると、ゲームと映画は「パラレルストーリー」を描いているが、ゲーム用に開発された要素もたくさんあるという。たとえば行商人の部族などが挙げられ、今後の映画に登場する予定だ。

「開発にあたってUbisoftチームと密接に連携してきたため、今後のストーリーに自然に織り込めそうな生き物、武器、部族などがたくさん生まれました。すべて今回の作業の成果物です。映画の中にゲームの要素が現れる可能性は非常に高いでしょう」と、ランドー氏は語る。

ようやくゲームが店頭に並んだ今、ランドー氏は映画の第3作目に向けて精力的に活動している。しかし、ゲームが新たに大勢のアバターファンを獲得できるかどうか、やはり気になるそうだ。特にゲーム人気が急上昇し続けているサウジアラビアではなおさらだ。

「本作の出来栄えには非常に満足しています。サウジアラビアや世界中のファンの皆さんに、私たちが作り上げた息を呑むようなパンドラの世界をぜひ楽しんでいただきたいです」と、ランドー氏は最後にそう締めくくった。

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