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世界初の地球科学データ解析センターで、AIが有望な採掘ターゲット発見をサポート

地球科学データ解析センター委員のロブ・ウッド氏がアラブニュースに語る。
地球科学データ解析センター委員のロブ・ウッド氏がアラブニュースに語る。
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12 Jan 2024 01:01:48 GMT9
12 Jan 2024 01:01:48 GMT9

ミゲル・ハチティレイナ・タクラ

リヤド:サウジアラビアは地球科学データ解析センターの設立に伴い、鉱業セクターで画期的なテクノロジー投機に乗り出す。

サウジ政府からの委託を受けて、その施設は今年後半に稼働を開始する予定だ。

未来鉱物フォーラム(Future Minerals Forum)でロブ・ウッド委員がアラブニュースに語ったところによると、彼はセンターの学際的な性質と、ハイブリッドスキルを持つ専門家を育成する新たなプログラムの重要性を強調した。

ウッド氏はこう述べた。「これは世界的にも初めての試みとなるはずです。おそらく2024年後半に始動するでしょう」

サウジアラビアは、金銀からニッケルやコバルトに至るまで、戦略的資源として31種類もの重要な鉱物資源を保有している。

同国は、推定2.5兆ドルの潜在的な埋蔵量を有する鉱業を中心に第3の産業柱を確立する態勢で、ウッド氏もまた経済を多角化する取り組みの重要性に着目している。

AIを活用して潜在的な鉱床を発見するうえで、地球科学データ解析センターが重要な役割を果たすと、ウッド氏は強調した。

明確に言うと、2.5兆ドルの推定額は現存する既知データからの推測で、広範な土地探査とデータ収集がこの推定額を支持しているとウッド氏は主張している。

「実際に探査しデータ収集を行った土地の面積から、国内でまだ探査していない場所に大きなチャンスが眠っていることはわかっています」と語る。

ウッド氏は、地質学者にコンピュータサイエンスの訓練を受けさせる新しい学際プログラムの創設が必要であると説明した。

また、コアスキャニングや累積効果研究のための最先端のロボット研究所など、センターの新しい側面を強調した。

「私たちが今話していることを実践している人は、文字通り地球上で誰一人存在しません」と主張し、「実際にサウジがセンターを完全に管理下に置き、今後数十年にわたって運営し続けるつもりです」と付け加えた。

ウッド氏は、進行中のデータ収集活動について詳細に説明した。それによると、収集された情報は新しい人工知能プラットフォームに取り込まれ、そこで有望な採掘ターゲットを特定するための分析ができるという。

また、鉱床のモデリングにAIを使用することを強調し、「機械学習を利用して有望な鉱床をプロセスの早い段階で発見できるようにします」と述べた。

一方でウッド氏は鉱業セクターが手強い挑戦であることも認めている。特に新たなターゲット、いわゆる「グリーンフィールド」を特定する難しさに言及し、非常にリスクの高い試みと呼んだ。

「完全な掘削プログラムを実施したうえで、何も持ち帰らずに終わるケースも非常に多いでしょう。文字通り何億ドルもの資金が水の泡になってしまうこともあり得ます」

この課題に対処するため、ウッド氏は高度な人工知能を利用することで新たなターゲット探索にかかるコストのリスクを減らすという、野心的な計画を明らかにした。

「新たなターゲットを見つける際に高度な人工知能を使用し、採掘会社のコスト面でのリスクを軽減しようとしているのです」と、ウッド氏は説明する。

ウッド委員は、鉱業セクターが環境や社会に与える影響に対処することの重要性を強調し、「センターがまず行うべきことは、複雑な環境および社会的影響の調査です」と述べた。

最後にウッド氏は、サウジアラビアがこの事業に取り組むうえでの独自性に着目して、以下のように締めくくった。「石油の発見は、鉱物の発見よりもかなり簡単です。鉱物の新たな鉱床を見つけるためには、非常に高度な分析が必要なのです」

サウジアラビアがこの画期的な取り組みに着手するにあたり、ウッド氏は「この時代にサウジアラビアにいられてワクワクします」と楽観的な考えを表明している。

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