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ビットコイン開発者ナカモトの正体をめぐり飛び交う憶測

コンピュータ科学者のクレイグ・ライト氏(53)は、自身が「サトシ・ナカモト」であると主張している。サトシ・ナカモトはビットコイン開発者のハンドルネームであり、2008年に世界に向けてビットコインを発表したホワイトペーパーの著者だ。(AFP)
コンピュータ科学者のクレイグ・ライト氏(53)は、自身が「サトシ・ナカモト」であると主張している。サトシ・ナカモトはビットコイン開発者のハンドルネームであり、2008年に世界に向けてビットコインを発表したホワイトペーパーの著者だ。(AFP)
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09 Feb 2024 08:02:48 GMT9
09 Feb 2024 08:02:48 GMT9

ロンドン:あるオーストラリア人男性が今週ロンドンで裁判に出廷した。この裁判は、男性がビットコインを発明したとする主張を巡るものだ。暗号資産ビットコインの謎めいた開発者と誰かが結び付けられるのは今回が初めてではない。

コンピュータ科学者のクレイグ・ライト氏(53)は、自身が「サトシ・ナカモト」であると主張している。サトシ・ナカモトはビットコイン開発者のハンドルネームであり、2008年に世界に向けてビットコインを発表したホワイトペーパーの著者だ。

ライト氏は暗号資産活動団体から提訴されている。活動団体は、ライト氏がビットコインの創始者であるかのように装おうとして虚偽を述べ、文書を偽造したと主張しているのだ。

ビットコインは人気が急上昇して最大の暗号資産となり、専門サイトCoingeckoによれば、時価総額は現在8800億ドルに達している。

しかし、仲間の開発者たちと協力してコードを改良した後、2011年頃に謎の人物サトシの姿はレーダーから消えた。それ以来彼の正体については複数の説が浮上している。
アメリカの開発者で暗号研究者のハル・フィニーは、暗号資産を受け取った最初の人物だった。これは、サトシ自身がテストとして10ビットコインを送った際のことだ。

しかし、2023年10月、フィニーが実はサトシであるという説は、暗号資産コミュニティの著名ブロガーによって否定された。

このアマチュア探偵によれば、サトシがメールに返信したりビットコインを取引したりしていた時間帯に、2014年に亡くなったフィニーがランニングレースに参加していたことを示す証拠を発掘し、それによって彼を候補から除外できるのだという。

日系アメリカ人エンジニアのドリアン・ナカモト氏は、ビットコインを発明して通貨の世界に革命を起こしたと初期に疑われた人物の一人だった。これは、ニューズウィーク誌がこのデジタル・トークンの背後には彼がいると2014年に報じたことを受けたものだ。

「もうそれには関わっていませんし議論することもできません。他の人に引き継いでもらったんです。今はその人たちが管理しています。もう私は関係ありません」という彼の発言をニューズウィーク誌が引用して報じたのだ。

それ以降彼は自身がサトシ・ナカモトであることを否定している。

インターネット上に投稿されたプロフィールによれば、2012年当時ビットコインの謎の開発者は、自分は日本に住む37歳の男性だと主張していた。

しかし評論家らは、サトシ・ナカモトの卓越した英語力と典型的なイギリス人らしい言い回しを引き合いに出して、この仮説に疑問を呈している。

ハンガリー出身でアメリカのコンピューター科学者であるニック・サボ氏は、分散型デジタル通貨をいち早く採用した人物だ。2013年にあるブロガーが、ビットコインを発明した可能性のある人物として彼の名前を挙げていた。
しかしこの業界の関係者は、彼がサトシだという証拠には状況証拠を超える具体的なものはないと主張している。

ライト氏は今週ロンドンの高等法院に出廷している。審理は3月中旬まで続く見込みだ。
謎めいたオーストラリア人プログラマーのライト氏は、「ビットコインの開発者」とX上で自称し、ビットコインの開発に必要なスキルと知識を持っていると主張している。

暗号オープン特許アライアンス (COPA)は、暗号資産技術が特許によって制限されず利用できるようにすることを目的に設立された非営利団体だ。COPAは、2016年に初めてなされた彼の主張をめぐってライト氏を提訴している。

ライト氏は「フェイクトシ(偽のサトシ)」というあだ名で呼ばれ中傷されているが、COPAは、ライト氏が自身の素性について虚偽を述べ、文書を偽造・改ざんしたとして非難している。

ライト氏は自ら起こした多くの訴訟にこれまで関わってきたが、今回は自らを弁護することが求められている。

世界で最も裕福な男も候補者の一人になっている。スペースX社でインターンをしていた人物が、サトシが実はマスク氏であるとの推測をつづったシリーズ記事を書いたからだ。

この人物は、ウェブサイト「Medium」への書き込みの中で、億万長者のマスク氏はサトシが使ったのと同じような用語や表現を使っていると主張したのだ。マスク氏の親しい同僚は動揺してこのことについて話せなかったようだとも述べている。

しかし、こうした乏しい根拠を前にして、技術に精通するマスク氏は2017年末に疑惑を否定した。

憶測が加熱しているにもかかわらず、不確実性が高い状況に変わりはない。

ビットコインのような大規模で複雑なプロジェクトは、一人の開発者ではなく、複数人のグループの手によるものでしかあり得ないと主張するコメンテーターもいる。

また、本物のサトシ・ナカモトは亡くなっている、あるいは自身の匿名性を維持することでビットコインが持つ「共同」理念の完全性を保ちたいと考えている可能性が高いと言う者もいる。

一方、暗号資産リサーチャーのセルジオ・ラーナー氏によれば、サトシ・ナカモトは現在も約98万ビットコインを保有しているという。

もしビットコインの王ナカモトが生きていて、現金化を決断すれば、現在の価格で合わせて440億ドルの価値があるため暗号資産が暴落する可能性がある。

AFP

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