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NEOMとTRSDC、2030年までにサウジアラビアの水産養殖の収穫量を5倍に

ナクアの眺め ― サウジアラビアの完全統合されたエビ養殖場。(提供写真)
ナクアの眺め ― サウジアラビアの完全統合されたエビ養殖場。(提供写真)
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20 Dec 2021 02:12:10 GMT9
20 Dec 2021 02:12:10 GMT9

ジアド・サバー、リナット・ガイヌリン 

リヤド:国営のNEOMと紅海開発会社は主要な民間企業と協力して、2030年までに水産養殖部門の収穫量を5倍にするサウジアラビア政府の取り組みを主導している。

農業副大臣はアラブニュースに対し、同部門は、年間収穫量を60万トンに増加させるためのさまざまなプロジェクトを通じて、短中期的な支援を受ける見込みであると述べた。

協力

NEOM及び紅海開発会社に加え、ナクア、ジャザドコ、サウジ・フィッシャリーズ・コーポレーションの支援を受けてプロジェクトは実施される、とアフマド・アレヤダ氏は述べた。 

現在、同部門の収穫量は年間10万トンである。

TRSDCは、ブルー・プラネット・エコシステムズと協力して、来年初頭に海産物の収穫を開始すると、アラブニュースの質問に答えた。「私たちは、生態系の再生を助け、来訪者が食する紅海産の海産物を提供するために在来種を養殖することを主眼としています」

「私たちの水産養殖計画はすべて、再生、在来種、そしてマングローブ水産養殖や再循環システムなど持続可能な方法の利用に重点を置いています」

さらに次のように続けた。「私たちの当面の目標は、量ではなく質であり、アトランティック・シーブリーム(タイ科の魚)やシーバスといった従来の養殖魚ではなく、サウジアラビアの在来種の魚に注力することです」

「私たちの技術や手法は長期的に見て、いずれは大規模な収穫につながる可能性があります」

同王国は、紅海沿岸で水産養殖を開発する民間企業を支援することで、エビや魚の収穫量の増加を目指している。

最大の養魚場

この拡大プロジェクトは、同王国最大の市場関係者でナクア(Naqua)として知られている国立水産養殖グループ(National Aquaculture Group)、民間企業のタブーク・フィッシュの他、サウジアラビアや外国の企業によって実施されることになっている。ここで言及すべきと思われるのは、タブーク・フィッシュが中東・北アフリカ地域最大の養魚場を建設する契約を2021年4月にNEOMと締結したという、NEOMの発表である。

ナクアのウェブサイトによると、同組織は現在、エビ、バラマンディ魚、ナマコなどを収穫している。長期的には収穫量を25万トンまで増加させることを目指し、短期的には、生産量を増やすために多額の投資を検討するという目標を達成しようとしている。現地市場での2018年の同社のシェアは86%だったが、水産養殖部門での競争の激化により、現時点までにシェアが縮小している可能性がある。

ナクアの収穫量が2018年のGCCの水産養殖総収穫量80%を占め、タブーク・フィッシュのプロジェクトが中東・北アフリカ地域(MENA)で最大になると言われていることを考慮すると、タブーク・プロジェクト単独で、将来的にはサウジの水産養殖の総収穫に10万トン以上上乗せできると見込まれている。この他に、ナクアの拡大やサウジアラビアや外国の他企業による収穫の増加が予想されている。

国家プログラム

同部門の収穫が増加したのは、2015年に開始されたサウジアラビアの国家水産業開発プログラムの結果による。同プログラムは2030年までに、同王国の水産養殖の収穫量を年間60万トンに増加させることを目標としている。また、同期間において、水産業における約20万人の直接的及び間接的雇用の創出も目指している。

この点から、サウジアラビア政府は、同王国のバイオセーフティや収穫される海産物の高い品質を確保するために必要なインフラストラクチャの構築に努めている。こうした取り組みは、2016年から2019年にかけて実施されたサウジアラビア水産養殖協会のプログラムにも反映されており、同部門におけるサプライチェーン・プロセスにおいて、顧客に商品が提供されるまでのすべての段階で、病気や病原体の拡散に対する予防方法の実施を目指している。

同王国の主要な海外市場となるヨーロッパ、米国、中国など世界中のさまざまな地域に水産養殖の商品を継続的に輸出する場合にも、本プログラムは欠かすことができない。

バイオセキュリティ

同協会は主導するバイオセキュリティプログラムの実施中に、現場で3,255営業日以上かけて、145,000を超える生物のサンプルを採取した。また、約10,345件のテストも実施された。同プログラムは、特に国内で最も養殖されている品種である海洋エビにウイルス性の白斑病が2010年に発生したことを考えると、極めて重要である。

水産養殖業は現在、世界で最も急成長している食糧分野であり、世界の海産物総供給量の50%以上を占めている。NEOMによると、同王国の海産物の消費量は年間7.4%増加すると予測されている。「サウジアラビアの気象条件は、水産養殖事業を成功させるためには非常に有利である」と、アレヤド氏はアラブニュースに語った。

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