【ニューヨーク時事】米ニューヨーク市で１２日夜、能登半島地震の被災地復興を応援するコンサートなどのイベントが開かれた。参加した約７０人が被災地に思いをはせ、現地在住の日本人音楽家らの演奏に聴き入った。国の重要無形文化財に指定されている石川県輪島市の伝統工芸「輪島塗」の漆器も販売された。

イベントはニューヨークで日本の音楽や美術の魅力を発信する団体「ＴＨＥ　ＢＲＩＣＫＳ　ＮＹＣ」（金澤恵之理事）が主催した。２日間の日程で、収益は文化財修復や被災地の芸術活動を支援する団体などに寄付される。

　コンサートでは復興を願い、賛美歌「アメージング・グレース」などが披露された。会場を訪れたダイアン・シプレルさん（７０）は「とても感動した。一日も早い復興には連帯が必要だ」と力を込めた。　

　会場には、１８１８年創業の田谷漆器店が手掛ける皿やワインカップなどの輪島塗の作品が勢ぞろい。同社は地震で建物が倒壊したが、商品の８割程が無傷だったという。漆器を手に取ったマット・クレイグさん（５５）は「美しいだけでなく、模様が非常に繊細だ」と見入っていた。

JIJI Press