24名が死亡した大阪市のビル火災について、クリニックに通う患者の1人は事件翌日、ビル内の心療内科クリニックに放火したとされる容疑者を許すことはできないと記者団に語った。火災によって、繁華街にある当該ビルの4階部分は焼き尽くされていた。
「これをやった犯人を許すことは、絶対にできません」。20代の男性患者は、火災現場に集まった記者らにそう語った。自身の氏名は明らかにしなかった。
「法に従って、犯人が罪を償うことを望みます」と、男性は述べた。
ビルはブルーシートで覆われ、その前では警察官が警備に立っていたが、仮設されたテーブルに献花をしたりビールや水を供える人の姿もあった。
「温かいものをと思って」と、缶コーヒーを供えた34歳の介護福祉士の男性は語った。
「もうこんなことが起こらないようにと祈ってきました」と、男性は涙ぐみながら話した。
警察の発表によると、火災は17日午前、液体の入った紙袋を持った男がクリニックに入り、暖房器具の近くに液体を置いて蹴り倒し、引火したことで発生したという。
公共放送のNHKによると、容疑者とされる61歳の男はクリニックの通院患者で、現在は病院にいるが、意識不明の重体だという。
クリニックの火災が起きる30分前には、男の自宅前でも小規模な火災が発生していたとNHKは伝えた。
2019年に起きた京都アニメーション放火殺人事件では36名が死亡し、他に数十名が負傷した。2001年、東京・歌舞伎町で起きたビル火災では44名が死亡した。
ロイター