岸田文雄首相は、5月上旬にも就任後初めて韓国を訪問し、尹錫悦大統領と会談する方向で調整に入った。3月に東京で会談した際、相互に往来するシャトル外交の再開で合意していた。
首相は、核・弾道ミサイル開発を続ける北朝鮮や、軍事的威圧を強める中国に対し、連携して対応する方針を確認したい考えだ。
複数の政府関係者が29日、明らかにした。首相は同日から5月5日の日程で、アフリカ4カ国とシンガポールを訪問。訪韓はその直後となる見通しだ。これに関し、首相は記者団に「具体的な訪韓時期はまだ何も決まっていない」と述べた。
シャトル外交は、2011年12月に当時の李明博大統領が来日したのを最後に途絶えており、実現すれば再開第1弾となる。日本の首相による訪韓は、18年2月に平昌五輪の開会式に出席した安倍晋三氏以来。
3月の日韓首脳会談では、尹氏が懸案だった元徴用工問題について韓国側の解決策を説明。両国関係の正常化で合意した。首相は5月19~21日に地元・広島で開く先進7カ国首脳会議(G7サミット)に尹氏を招待。バイデン米大統領を交えた日米韓首脳会談も調整している。
尹氏は昨年5月の就任以降、日米両国との関係改善に注力。今月には国賓として訪米し、バイデン氏と米国の核戦力を含む拡大抑止の強化を確認している。
時事通信