• イスラエルの容赦ない砲撃は、ハマスの襲撃に対する報復として10月7日に始まった
• ヨルダンが回付した決議案は、現在も議論が行われている

米国、国連本部：イスラエルとアラブ諸国の代表者らは26日、国連総会で鋭い非難の応酬を展開した。総会では、安全保障理事会が対応策を講じなかったことを受けて、イスラエルとハマスの戦争をめぐり議論が行われた。

この問題では、安全保障理事会に走る深い亀裂が露わとなり、2週間足らずで合計4つの決議案が提出されたものの、賛成票が不足したり、拒否権行使で阻止されたりする状況となっている。

アラブ諸国としては、たとえ決議案に拘束力が無いとしても、異なるパワーバランスを持ち、どの国にも拒否権が無い国連総会で行動できることを期待している。

だが、堂々巡りの議論となった26日は互いを批判する流れが続き、22のアラブ諸国を代表して発言したヨルダンのアイマン・サファディ外相が、「ガザを地球上の無限地獄にしている」とイスラエルを非難した。

そして、「このトラウマはこの先何世代をも苦しめる」とし、「自己防衛の権利は、罰を受けずに殺人ができることを許可するものではない。集団的懲罰は自己防衛ではなく戦争犯罪だ」と続けた。

イスラエルによる容赦ない砲撃は、ハマスの襲撃に対する報復として10月7日に始まった。イスラエル当局によると、この襲撃で1,400人が死亡し、その他に200人以上が誘拐されたという。

ガザ地区のハマスが運営する保健省は、イスラエル軍の空爆によってこれまでに7,000人以上が死亡したとしている。国境付近に集結しているイスラエル軍がパレスチナ自治区に侵攻するようなことになれば、死傷者の数は大幅に増えると見られている。

「皆さんには、この狂気を食い止めるために何かをしたり、重要なシグナルを送ったりするチャンスがあります。復讐ではなく、正義を選択してください」と、パレスチナのリヤド・マンスール国連大使は語った。

ヨルダンが回付した決議案は現在議論が行われており、27日に採決されることになっている。
本文では主に人道的状況に着目し、「即時停戦」とガザ地区への「制約のない人道的アクセス」を求めている。

また、全当事者に「民間人の保護」を遵守するよう要請。しかし、ハマスの襲撃事件に関しては言及がなかった。
これを受けて、イスラエルのギラド・エルダン国連大使はこの内容を痛烈に批判。

「この決議案の起草者らは、平和に関心を抱いていると主張している」、「それにもかかわらず、この決議案では、この戦争を始めた邪悪な殺人者らについて言及すらしていない」と非難した。

そして、「この決議案にふさわしい唯一の場所は、歴史のごみ箱だ」と付け加えた。

AFP