• イエメン政府の度重なる金融救済要請により、イエメン・リヤルは、2013年初頭に下落し始めた

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー：イエメン・リヤルは4日、イエメン政府支配地域で対ドル1540リヤルの最安値に下落し、史上最低の1ドル＝1700リヤルに近づいた。

マネートレーダーやメディアの報告によると、イエメン・リヤルは対ドルで1500リヤルまで下落し、最安値を数年ぶりに更新した。それ以前の最安値は7月の対ドル1400リヤルであった。

2022年初頭以降、イエメン・リヤルは、国際的に認められた大統領指導評議会の設立、イエメンの暫定首都アデンへのイエメン政府の復帰、サウジアラビアによるアデンに拠点を置くイエメン中央銀行への現金注入に後押しされ、政府支配地域では1ドルあたり約1200リヤルで安定している。

イエメン・リヤルは、フーシ派のドローンやミサイルによる石油施設への攻撃で手元資金が枯渇したことでイエメン政府が金融救済を繰り返し要請したことや、イエメン内戦終結に向けた和平交渉が暗礁に乗り上げた結果、2013年初頭に下落し始めた。

サウジアラビアの12億ドルの資金援助により、イエメン・リヤルは7月の1ドル＝1400リヤルから8月初旬には1ドル＝1300リヤルまで回復した。

イエメン・リヤルは、2021年後半に史上最低の1ドル＝1700リヤルを記録した。

政府支配地域の人々や地元の商人たちは、ここ数カ月間でリヤルが急速に下落した結果、燃料、輸送、重要な製品のコストが上昇したと報告している。

リヤルの最安値更新は、イエメン中銀が経済を安定させ、自国通貨の下落を抑えるために必要なあらゆる措置を講じると約束したわずか数日後に起こった。

今月1日にアデンで開催された理事会後に発表された声明の中で、中銀は、政府支出を賄うために「いかなる状況下でも」インフレによる資金調達を行うつもりはないと述べ、イエメン政府に対し、歳入を効果的に徴収して銀行に預金し、資源を枯渇させる不均衡に対処し、イエメン国民の生活水準とサービスの向上に取り組むよう促した。

リヤルの下落に対抗するため、中銀は無認可の金融会社を閉鎖し、地方銀行に財務諸表を中銀に送付するよう命じ、両替会社間の非公式送金システムの置き換えを命じ、地元のトレーダーにドルを売るための公開オークションを組織した。

リヤルの公式為替レートは対ドル1174リヤルである。2015年初頭、リヤルは1ドルあたり215リヤルで取引されていた。

イエメン政府は最近の報告書で、リヤルの下落と現在の経済破綻の原因は、2014年後半のフーシ派による権力掌握、中央銀行準備金の略奪、ハドラマウトの石油施設に対するドローンやミサイルによる攻撃、そして最近の、政府が管理する港を通じた輸入の禁止にあるとした。

政府は先週発表した報告書で、イエメンは、フーシ派の軍事クーデターとそれに続く戦争の結果、年間50億ドルの歳入を失い、同国の輸出額は2014年の64億ドルから昨年は17億ドルに減少したと述べた。

政府報告書によると、イエメンの「深刻な」金融危機は、政府投資プログラムの減少、民間投資の減少、GDPの縮小、外国人投資家の離脱、より良い機会を求めての地元資本の海外流出、助成金・融資プログラムの停止を引き起こした。