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ガザ紛争が激化する中、ヨルダンは「あらゆる選択肢」を検討

イスラエルとパレスチナ勢力ハマスとの間で戦闘が続く中、ガザ地区内に入ったイスラエル軍の車両と激しい煙が写し出されている。2023年11月5日、イスラエル軍公開。(AFP)
イスラエルとパレスチナ勢力ハマスとの間で戦闘が続く中、ガザ地区内に入ったイスラエル軍の車両と激しい煙が写し出されている。2023年11月5日、イスラエル軍公開。(AFP)
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07 Nov 2023 05:11:51 GMT9
07 Nov 2023 05:11:51 GMT9
  • 1994年にイスラエルと平和条約を締結したヨルダンのハサーウネ首相は、「イスラエルによるガザへの侵略とその影響に対応するため、ヨルダンはあらゆる選択肢を検討する」と国営メディアに語った

アンマン:ヨルダンは6日、イスラエルによるガザ地区への砲撃と侵攻が激化する中、同国は軍事目標と民間施設を区別できていないとみなし、「あらゆる選択肢」を残していると発表した。

10月7日のハマスによる越境攻撃後のイスラエルによるガザへの攻撃に抗議して、ヨルダンが駐イスラエル大使を召還してから数日間、ヨルダンのビシェル・アル=ハサーウネ首相は、同国がどのような手段をとるかについて詳細は明らかにしていなかった。

また、ヨルダンは先週、ハマスの攻撃直後に帰国したイスラエル大使の帰任は認められないと表明し、イスラエル大使をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)と事実上、宣告したことになった。

1994年にイスラエルと平和条約を締結したヨルダンのハサーウネ首相は、「イスラエルによるガザへの侵略とその影響に対応するために、ヨルダンはあらゆる選択肢を検討する」と国営メディアに語った。

ハサーウネ首相は、人口が密集するガザ地区をイスラエルが包囲することは、同国が主張するような自衛ではないと述べた。「イスラエルによる残虐な攻撃は、民間施設と軍事目標を区別しておらず、安全な地域や救急車にも及んでいる」

イスラエルは人口密集地の民間施設を意図的に標的にしたことを否定し、ハマスが民間人を人間の盾に使い、病院の下にトンネルを掘り、戦闘員の移動に救急車を使っていたと主張している。

ヨルダン政府の考えに詳しい外交官らによると、ヨルダンはイスラエルとの経済、安全保障、政治上の関係を見直しており、ガザ紛争が悪化した場合には平和条約の一部を凍結または破棄する可能性があるという。

イスラエル・ハマス紛争は、多数のパレスチナ難民とその子孫が暮らすヨルダンで積年の恐怖を再び呼び起こした。ヨルダンで暮らすパレスチナ人は、イスラエルが占領するヨルダン川西岸地区からパレスチナ人を一斉に追放する可能性があるのではないかと恐れている。ヨルダン川西岸地区では、10月7日のハマスの攻撃以来、イスラエル人入植者によるパレスチナ住民への攻撃が急増している。

イスラエル史上最も極右の宗教国家主義者による与党連立政権が昨年発足して以来、こうした懸念は高まっており、一部の強硬派は「ヨルダンがパレスチナ人にとっての選択肢」であることを支持している。

当局者らによると、アブドッラー国王はブリュッセルでのNATO事務総長イェンス・ストルテンベルグ氏との会談でこうした懸念を表明し、ユダヤ人入植者によるパレスチナ市民への攻撃が抑制されなければ、ヨルダン川西岸地区と主にアラブ人が居住する東エルサレムにおいて暴力が蔓延すると警鐘を鳴らした。

アイマン・サファディ外相は、ヨルダン川西岸地区と国境を接するヨルダンにパレスチナ人を追いやろうとするいかなる動きも、宣戦布告に等しい「越えてはならない一線」だと述べた。

同外相は先週、「イスラエルが地理と人口動態を変えようとしてパレスチナ人を追放しようとしても、我々はいかなる試みにも立ち向かう」と述べた。

治安関係筋によると、ヨルダン軍はすでに国境沿いの陣地を強化している。

米国の同盟国であるイスラエルは、親パレスチナ感情が広がり、イスラエルに対する怒りでハマス支持の大規模なデモ集会が行われたヨルダンに暴力が飛び火するのを恐れている。

外交筋によると、ガザ紛争開始以降、ヨルダンの懸念がアントニー・ブリンケン米国務長官との会談の中心となっており、近々ヨルダンを訪問するウィリアム・バーンズCIA長官との会談でも取り上げられる可能性が高いという。

ロイター

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