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アル・シファ病院に避難するガザ市民が「耐え難い」状況に直面

家を追われたパレスチナ人家族らは、アル・シファの外で間に合わせのテントをたてている。(AFP/資料)
家を追われたパレスチナ人家族らは、アル・シファの外で間に合わせのテントをたてている。(AFP/資料)
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12 Nov 2023 04:11:11 GMT9
12 Nov 2023 04:11:11 GMT9
  • 5万人以上の家を追われたパレスチナ人がアル・シファに避難している
  • 水不足により人々は塩辛い海水を飲まざるを得なくなっている

アラブニュース

ガザ:ガザ地区のアル・シファ医療複合施設は5万人以上の家を追われたパレスチナ人の避難場所となっている。この病院は1か月以上前に始まったイスラエルによる継続中の猛攻の標的になっているにもかかわらず、多くの人々が外で間に合わせのテント内で過ごしており、廊下や待合室に詰めかけている人々もいる。

ガザで最大の医療施設であるアル・シファは限界を迎えている。医師らは、医療資源や水、電力の不足が深刻な中でも、数千人の重傷者を治療するため奮闘している。

イスラエル国防軍による、ハマスの根絶という名目のもとでの病院や救急車の相次ぐ爆撃が、状況を悪化させている。直近の攻撃は10日の朝に行われ、外来診療所、産科、中庭が標的となり、数人のパレスチナ人が死傷した。

イスラエルは、ハマスがアル・シファを主要司令部として使っていると主張しているが、武装組織ハマスは病院の軍事目的での利用を否定している。

イスラエル国防軍は、アル・ナスル子ども病院やインドネシア病院といったガザにある他の複数の病院にも爆撃を行っている。

アル・シファにいる家を追われたパレスチナ人たちにとって、状況は耐え難いものとなっている。人々は過密状態、清潔な水などの基本的必需品の欠如、電力不足による過酷な状況と闘っている。この医療施設は貧弱な太陽光発電機に依存している。

病院の外で家族と共に間に合わせのテントで過ごしているアブ・モハンマド・アルマラヒ氏は、清潔な飲み水を手に入れるのは難しく、各家族は食料小包を受け取っていないと、アラブニュースに語った。

「ガザは3つに分けられていて、私たちは野菜がまったくない地域にいます」と、彼は述べた。「小麦粉やパンすら、そして基本的にあらゆる物が、手に入れるのは困難です」

彼はさらに、人々は「その日その日を」生きており、日中は夜まで乗り切れるだろうかと不安に思い、夜には朝目覚めることはないかもしれないと知りながら過ごしているとも語った。

「私たちは罪のない一般市民で、ここには子どもや女性がいます」と、彼は述べた。「私たちは国連が助けに来てくれることを待っています」

水不足により、人々は海水を飲まざるを得なくなっており、数千人が脱水と病気の危機にさらされている。

同じように家族でアル・シファの外に避難しているアブ・マフムード・ハニーイェ氏は、海水を飲むという手段を取っていると、アラブニュースに語った。

「飲み水も、食料も、電話も、インターネット接続もなく、ソーシャルメディアも使えません」という。

家を追われたガザ住民で母親であるウム・ラミ氏は、コップ1杯の清潔な水を渇望しているとして、幼い子どもたちが塩水を飲んでいると語った。彼女は医薬品と子どもの食料の不足に対しても不満を口にした。

「病人たちは処置を受けられません」と、彼女はアラブニュースに語った。「私は昨日の昼からなんの(医療)処置も受けられませんでした」

彼女は加えてこう述べた。「死のほうがこの生活より優しいものです」

ハマスの戦闘員がイスラエル領内への奇襲を行った10月7日にイスラエルが攻撃を開始して以来、少なくとも10,800人のパレスチナ人が死亡し、さらに多くの負傷者が出ている。また、2,650人以上が行方不明のままだ。

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