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イスラエルの戦車とドローン、ガザで稼働する最後の病院を攻撃

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20 Jan 2024 05:01:45 GMT9
20 Jan 2024 05:01:45 GMT9
  • ネタニヤフ首相は、パレスチナ国家樹立を拒否して米国と対立

アラブニュース

イスラエル軍の戦車と武装ドローンは19日、ガザ地区で稼働する病院が残り少なくなる中、まだ稼働する2か所の病院に攻撃を実施した。3か月以上続く戦闘で、パレスチナ人の死者数は25,000人に迫っている。

パレスチナ赤新月社の報告によると、南部の都市ハーン・ユーニスにあるアルアマル病院で、ドローンが民間人に向けて激しい銃撃を行い、避難民らが負傷したという。

同市内のすぐ近くでは、ガザで現在も稼働する最大の病院であるナセル病院にイスラエルの戦車が集結し、西側からは砲撃、南側では激しい銃撃戦が起きた。

大量虐殺と呼ぶに等しい状況が続く中、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、米国が中東政策で長年の柱としてきたパレスチナ主権国家の樹立を明確に否定。外交官らは、その余波への対応に当たっている。

ネタニヤフ首相は、「イスラエルは、ヨルダン川西岸の全域を安全に管理できる必要がある」と話し、「主権の原則とは衝突するが、仕方がない」としている。

それに対し、米国務省のマシュー・ミラー報道官は、パレスチナ国家を樹立することは、ガザの復興、統治、安全保障と併せて、イスラエル自身に永続的な安全保障をもたらす唯一の方法であるとの見解を示した。

その後、ホワイトハウスは、ネタニヤフ首相とジョー・バイデン大統領がイスラエルとガザの情勢について電話で意見交換を行ったと発表。ハマスを殲滅するまで戦い続けると宣言するイスラエルだが、パレスチナ人らは、ハマスは組織として2007年から実効支配しているガザに深く根を下ろしているため、その目標を達成することは不可能だと否定している。

ガザの保健省の発表によれば、同地区では過去24時間で142人のパレスチナ人が死亡、278人が負傷し、死者数は24,762人となった。世界保健機関は、ガザ地区にある36病院のうち、大部分が機能を停止したと報告。15か所の病院は機能が一部に制限されており、受け入れ可能な患者の最大3倍が押し寄せ、十分な燃料や医療物資が不足している状況だという。

イスラエルが部隊の引き上げと小規模作戦への移行を開始したと発表している北部のガザ市では、機能をほとんど失ったアル・シファ病院の近くで、居住用ビルが空爆され12人が死亡した。また、ガザ地区中心部のアルヌセイラット難民キャンプでは、家屋がイスラエル軍の空爆を受け、パレスチナ人5人が命を落とした。

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