
ロンドン:アラブ連盟のアフマド・アブルゲイト事務局長は在イスラエル大使館をエルサレムに移転するというアルゼンチンの計画を非難した。
同氏は移転は国際法違反となり、二国家解決に基づく和平実現の可能性を台無しにするだろうと述べた。
この移転計画は6日、イスラエルを公式訪問中のアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が明らかにしたものだ。
アラブ連盟のジャマル・ラシュディ報道官は、1980年に採択された国連安保理決議478は明確に、エルサレムにおけるイスラエルのすべての行動を無効とし、撤回されなければならないとしていると指摘した。さらに、この決議では他の加盟国に対してエルサレムに外交使節団を常駐させないことも求めている。
同報道官は国際社会はエルサレムに対するイスラエルの主権を認めていないと付け加えた上で、エルサレムの地位はパレスチナとイスラエルの間で交渉を通じてのみ決定されるべきだと述べた。エルサレムの地位、あるいはその法的・政治的地位を変更しようとする先制的な試みは、将来の交渉とその成果を損ねることになるとラシュディ報道官は指摘した。
アブルゲイト事務局長はミレイ大統領の発表に反対の意を表明して、アルゼンチンのパレスチナ問題に対する従来のバランス外交から大きく逸脱するものだと指摘した。
さらに、この変更はイスラエル右派の計画と足並みを揃えるもののように見え、パレスチナ人の権利と国際法の原則を支持するグローバルサウス諸国が共有する姿勢とは対照的だと述べた。
アブルゲイト事務局長はすでに緊張状態にある中東の状況をさらに複雑にしかねない決断、ことにエルサレムの地位に関係する決断について、アラブ諸国には深い懸念があるとした。
そして、国際社会はパレスチナ・イスラエル間の紛争の平和的で実現可能な解決の実現への試みを支えるデリケートなバランスを保つべきだと訴えた。