ベイルート:イスラエルによるレバノン南部の国境近くの村への空爆で、ヒズボラの兵士1人とヒズボラ系団体の救急隊員2人が死亡した。ヒズボラとレバノンの治安関係者が23日、語った。
イスラエル軍は22日遅く、イスラム教シーア派組織ヒズボラのレバノン南部のブリダにある「軍事拠点」を空爆したと発表した。双方の間では、10月7日にイスラエルとハマスの戦闘が始まって以降、国境を挟んだ攻撃が毎日のように行われている。ヒズボラは同盟関係にあるハマスへの支援を表明している。
ヒズボラ系のイスラム医療委員会は、ビルダにある民間防衛センターへのイスラエルによる「直接」攻撃により、救急隊員2人が死亡したと明らかにした。また、ヒズボラも戦闘員1人が死亡したと発表した。
イスラム医療委員会によれば、この攻撃で「多数の救急車とともに医療センターが破壊された」という。
レバノンの治安関係者(メディアに話す権限が認められていないため、匿名を希望)によれば、22日の攻撃は「ブリダの村にあるイスラム保健委員会のセンターを狙ったもの」だったという。
イスラエル軍は22日遅く、複数の戦闘員が「ブリダ地域のヒズボラの軍事拠点に入っていく」のを確認したと述べた。
「ジェット戦闘機がスクランブル発進し、テロリストが確認された拠点を空爆した」とイスラエル軍は声明で述べた。
一方でヒズボラは「(レバノン)南部の村落や民家、直近のビルダの民間防衛センターへの攻撃」への報復として、23日にイスラエル北部でドローン攻撃を行ったと表明した。
その前夜にも、ヒズボラはビルダへの攻撃に対する報復としてイスラエルの兵舎にロケット攻撃を行ったと述べた。だがこの時は、犠牲者については触れなかった。
イスラエルの北部国境における攻撃の応酬が続く中、2006年のようにイスラエルとヒズボラの全面戦争が勃発するのではとの懸念が高まっている。
ヒズボラは1月にも、レバノン南部のハニンでイスラエルの空爆によりヒズボラ系団体の救急隊員が死亡したと明らかにするとともに、イスラエルの行為を「露骨な攻撃」と呼んだ。
ヒズボラは22日にも、戦闘員2人が死亡したのを受けてイスラエルへのロケット攻撃を行ったと明らかにしていた。ヒズボラはその後、葬儀の通知の中で、死者のうち1人を「司令官」と呼んだ。
治安関係者によれば、レバノン南部のクファルルマンでのイスラエルのドローン攻撃で死亡した2人のうち1人は、ヒズボラの「ロケット攻撃能力」に関係のある人物だったという。
AFPの計算では、10月以降、レバノン側では少なくとも276人が死亡。その多くがヒズボラの戦闘員だが、民間人44人も含まれている。
イスラエル軍によれば、イスラエル側では兵士10人と民間人6人が死亡したという。
AFP