Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • 援助トラックに集まる人々にイスラエル軍が発砲 世界から調査と停戦を求める声が上がる

援助トラックに集まる人々にイスラエル軍が発砲 世界から調査と停戦を求める声が上がる

木曜日、援助物資を引き揚げようと大群衆が殺到する中、イスラエル軍が発砲し、少なくとも115人のパレスチナ人が死亡、750人以上が負傷した。(ロイター)
木曜日、援助物資を引き揚げようと大群衆が殺到する中、イスラエル軍が発砲し、少なくとも115人のパレスチナ人が死亡、750人以上が負傷した。(ロイター)
Short Url:
02 Mar 2024 03:03:26 GMT9
02 Mar 2024 03:03:26 GMT9
  • ドイツのアナレーナ・ベアボック外相はソーシャルメディアプラットフォームXに「イスラエル軍は、なぜこのような大規模な混乱と銃撃が起きたのかを完全に調査しなければならない」と投稿した。
  • また、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長もX上で、「何が起きたのかを調査し、透明性を確保するためのあらゆる努力が必要だ」と述べた。

パレスチナ自治区、ガザ地区:ガザ戦争が約5カ月目を迎えようとする中、援助物資を運ぶ車列に殺到した数十人のパレスチナ人たちが殺害された。翌日1日、世界の指導者たちは調査と停戦を求めた。

ハマスが支配するガザ地区保健省の発表によると、29日、イスラエル軍は地域の民間人が食糧援助を求めて混乱状態に陥った際に発砲、100人以上が死亡したという。

多数の死傷者を出したこの事件の発生に先立ち、世界食糧計画(WFP)の職員は「もし何も変わらなければ、ガザ北部は飢饉に陥るだろう」と警告していた。

イスラエル軍は、数千人のガザ市民が38台の援助トラックの車列を取り囲んだ際に「暴動」が発生し、轢死者を含む数十人の死傷者が出たと発表した。

イスラエルの情報筋は、軍は群衆が「脅威をもたらした」と考え、発砲したことを認めた。

ガザの保健省はこれを「虐殺」と呼び、112人が死亡、750人以上が負傷したと発表した。

この死者数により、ガザでの戦争におけるパレスチナ人死者数は、女性と子供を中心に3万228人に達したと、同省の最新の報告書が示している。

同省によると、2月29日から翌日3月1日にかけての一晩で、83人が空爆により死亡したという。

戦争は10月7日、イスラエル南部への前例のないハマスの攻撃により引き起こされた。イスラエルの数字によれば、民間人を中心に約1160人が殺害された。

イスラエル軍によると、10月下旬に地上作戦が始まって以来、ガザで242人の兵士が死亡したという。

ドイツのアナレーナ・ベアボック外相はソーシャルメディアプラットフォームXに「イスラエル軍は、なぜこのような大規模な混乱と銃撃が起きたのかを完全に調査しなければならない」と投稿した。

フランスのステファン・セジュルネ外相は「何が起きたのかを明らかにするために、独立した調査が行われなければならない」と述べ、イタリアのアントニオ・タヤーニ外相は「ガザの人々を守り、事実と責任を厳格に確認するよう」求めた。

また、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長もX上で、「何が起きたのかを調査し、透明性を確保するためのあらゆる努力が必要だ」と述べた。

リビア大統領評議会のモハメド・アル・マンフィ議長は、この「前例のない犯罪」について国連安全保障理事会による「緊急の調査」を訴えた。

イスラエルに数十億ドルの軍事援助を提供している米国のジョー・バイデン大統領は、ワシントンが事件について「2つの競合するバージョン」を確認している最中だと述べた。

米国務省報道官は、事件の空撮映像によって「現地の状況がいかに絶望的であるか」が明らかになったと述べた。米国はイスラエルに対し、より多くの援助を受け入れるよう働きかけているという。

ガザへの支援物資に関するこの事件は、停戦に向けた話し合いが進展している最中に起こったが、バイデン氏は、事件はその努力を複雑なものにするだろうと述べた。

ホワイトハウスはその後、イスラエルに対し「非常に憂慮すべき」この死亡事件について調査するよう要請したと述べた。オリビア・ダルトン副報道官は、「徹底的に、この事件を調査する必要がある」と述べた。

カタール外務省は、「イスラエル占領軍による凶悪な虐殺を最も強い言葉で」非難し、ガザでの戦闘を止めるための「緊急の国際的行動」を呼びかけた。

さらに遠く、南米では、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領が、ガザ市での「大虐殺」を受け、イスラエルからの武器購入を停止すると発表した。

状況はガザ北部で特に深刻だが、最南部のラファを含む領土全域で、住民は食糧、水、医療の確保に苦労している。ラファには、他の地域からの戦闘を逃れた約140万人が避難している。

イスラエルは、ハマスの戦闘員に対し、ラファに軍隊を送ると警告している。

ガザ市で何が起きたのかについては、情報が錯綜している。

安全上の理由から匿名を希望した目撃者によると、数千人の人々が援助トラックに殺到した最に暴力が始まり、戦車に「人々が近づきすぎた」ために兵士たちが発砲したという。

イスラエル軍報道官、ダニエル・ハガリ少将は、援助トラックを「待ち伏せ」していた「暴徒」を撤退させるために軍が「数発の警告射撃」を行ったと述べた。

「何千人ものガザ市民がトラックに群がり、他のガザ人を死に至らしめるほどに激しく押し、さらには踏みつけ、人道的物資を略奪した」と彼は述べた。

群衆が大きくなり過ぎ、車列は退却しようとしたとき、「数十人のガザ市民の死傷者をもたらした不幸な事件は起こった」と彼は述べた。

イスラエル軍は空撮画像を公開、軍によると、市内で援助トラックを取り囲む数多くの人々の姿が写っているという。

アリ・アワド・アシュキールさんは、飢えた家族のために食料を調達しに行ったが、トラックが到着し始めたときには既に2時間待っていたとAFPに語った。

「トラックが到着した瞬間、占領軍は砲撃を開始し、銃を発砲した」と彼は言った。

ハガリ氏は、イスラエル軍による砲撃や空爆を否定している。

ガザ北部では以前にも援助トラックの略奪が起きている。住民は飢えをしのぐために家畜の飼料や木の葉さえ食べることを余儀なくされている。

国連パレスチナ難民救済機関(UNRWA)の事務局長は、29日の援助物資の輸送に国連機関は関与していないと述べ、この事件を「地獄の日々の1日」と呼んだ。

イスラエルの戦争目的のひとつは、10月7日に武装勢力に捕らえられた、既に死亡を推定されている31人を含む130人の人質をガザから帰還させることだという。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、人質に関する増大する圧力に直面している。

1日には、テルアビブのアメリカ大使館前に人質の親族や支援者が集まり、解放への協力を呼びかけた。

29日の夜、テルアビブ市内で行われた別の抗議デモで、36歳のアロン・リー・グリーンさんは、事態は分岐点にあると語った。

「私たちは、決して終わらない永遠の戦争に向かうのか、またはイスラエル・パレスチナの平和に向けた外交合意に向かうのか」と彼は言った。

AFP

特に人気
オススメ

return to top