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ガザのキリスト教徒がクリスマスの旅行禁止に直面

ガザ市の聖墳墓教会での聖土曜日の礼拝で、ろうそくを持つギリシャ正教の崇拝者。(AP)
ガザ市の聖墳墓教会での聖土曜日の礼拝で、ろうそくを持つギリシャ正教の崇拝者。(AP)
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16 Dec 2019 03:12:04 GMT9
16 Dec 2019 03:12:04 GMT9
  • 「ヨルダン川西岸地区はパレスチナの一部であり、キリスト教徒が旅行したり、そこにとどまることを妨げる論理的な理由はありません」

 ハゼム・バルーシャ

ガザ市:ハテム・アル=ファー(51歳)と彼の家族は不安な気持ちを抱いているようだ。彼らは、家族のほかのメンバーに会い、ベツレヘムおよびエルサレムの聖地を訪問するため、イスラエルの許可の発行を待っている。

アル=ファーはガザに住んでおり、この4年間ベツレヘムを訪れることができなかったが、一方で、妻と子供の一人は、クリスマスとイースターの間にヨルダン川西岸に旅行することをイスラエルにより許可されたことが何度かある。

イスラエルは以前、ガザのキリスト教徒が聖地を訪れることを初めて許可しないとする一方、パレスチナ人100人に限りガザ地区からヨルダンに出ることを許可すると発表した。

この発表により、アル=ファーと彼の家族、ガザに住むキリスト教徒はヨルダン川西岸地区に行けないことになった。

「実際に私が許可証を手にするまで、または少なくとも妻と子供が、現在西岸地区に住んでいる娘や息子と会うために旅行する許可を得るまでは、私は何も信用しません。」とアル=ファーは言う。

彼は、「クリスマスは家族が一堂に会する最も重要な機会です。私は、キリスト降誕教会を訪れ礼拝を行うための許可を得るのを妨げる理由が何なのか分かりません。ヨルダン川西岸地区はパレスチナの一部です。キリスト教徒が旅行したり、望めばそこにとどまることを妨げる論理的な理由はありません。」と付け加えた。

イスラエルは、ガザ地区からの移動を厳しく制限している。この領土は、2007年以来過激派グループのハマースによって支配されている。

狭い海岸沿いのガザ地区には、人口200万人のうち、キリスト教徒はわずか約1,000人(そのほとんどがギリシャ正教会の信徒)しかいない。

経済的な破綻、包囲、イスラエル戦争などにより、ガザのキリスト教徒の数は近年縮小しており、その一部はヨルダン川西岸地区に移り住むか、海外に移住している。

ガザの多くのキリスト教徒は、イスラエルが許可を与える際には、すべての家族に許可が与えられるわけではないため、ホリデーシーズンの旅行を難しくしていると述べている。

ガザのYMCAの事務局長であるハニ・ファラーは、「イスラエルは、宗教や性別に関係なく、あらゆる形態の抑圧と違反行為をパレスチナ人に対して行っています。」と言う。

また、彼は次のように付け加えた。「イスラエルの爆弾やミサイルがパレスチナ人を区別しないように、イスラエルによる封鎖とその抑圧措置はイスラム教徒とキリスト教徒を区別しません。私たちはみなガザに閉じ込められ、痛みや苦しみを共有しているのです。」

許可を申請した他の数百人のガザのキリスト教徒と同様、ギリシャ正教会の信徒であるファラーは、これまで自分自身、妻、または4人の子供に対する許可を与えられたことがない。

ファラーによると、ホリデーシーズンを除き、キリスト教徒は、ガザの人々の西岸地区への移動に対してイスラエルによって課せられた厳しい制限に苦しんでいるという。

ファラーによれば、ガザのキリスト教徒の数はいくつかの要因により縮小しているが、最も重要な要因は経済状況だという。

「仕事を見つけられない若者は、仕事を求めて海外に旅行することを強いられます。同じことが結婚を望む若い女性にも言え、適当な相手が見つからないと、結婚するために海外に旅行しています。」

移動の自由に関するイスラエル法律センターのギシャは次のように言う。「ここ数年にわたりガザのキリスト教徒に対して発行されたホリデー許可の数の減少、およびこのクリスマスにイスラエルがキリスト教徒に対してガザとヨルダン川西岸地区の間を旅行する許可を割り当てていないという事実は、パレスチナの領土の2つの部分をまたがる移動の制限の強化、イスラエルの分離政策の深化を示すものです。」

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