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パレスチナ政府とキリスト教徒、教会の攻撃に対する措置が不十分としてイスラエルを非難

ガザ市のクリスマスツリー点灯イベントに参加するパレスチナ人とその子ども(AFP)
ガザ市のクリスマスツリー点灯イベントに参加するパレスチナ人とその子ども(AFP)
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27 Dec 2019 10:12:48 GMT9
27 Dec 2019 10:12:48 GMT9

ダウド・クッタブ

アンマン:パレスチナ政府と教会の指導者らは、クリスマス当日である火曜日にエルサレムの聖墳墓教会にナイフで武装した若い男が侵入した事件に対するイスラエル警察の対応を非難した。

イスラエル警察のミキ・ローゼンフェルド広報官はアラブニュースに、本事件の危険性は少なく、男は取調べ後、不起訴で釈放されたと語った。

「一人の個人がエリアに近づいてきました。男は教会に入った時点で警察に見つかりました。警察は男を教会の外へ出し、何をしているのか尋ねました。そして、男の応答や挙動から、男が精神的に不安定であることが明らかになりました」とローゼンフェルド氏は言った。「取調べの後、男は釈放されました」

ローゼンフェルド氏は「男は逮捕されたわけではないから、市民にその名前を知る権利はない」として、男の名前の公表を拒否した。イスラエルの警察が同様の状況なら同じ匿名の権利の対象をパレスチナ人にも拡大するのかどうか尋ねられた広報官は、コメントを拒否した。

エルサレム支援イスラム・キリスト教徒委員会のハナ・イッサ委員長はアラブニュースに対し、この警察の措置は不十分であり、地元のキリスト教徒や観光客の間に懸念を引き起こしかねないと語った。

「加害者が犯罪を犯したのなら、刑務所に送られるべきです」とイッサ氏は言った。「もし加害者が精神障害者なのであれば、精神病院に送られるべきです。ですがどちらの場合であれ、加害者は釈放されるべきではない(なかった)のです」

パレスチナ外務省は、加害者は事件の30分後に釈放されたという声明を発表した。

「教会はキリスト教信者や観光客で溢れかえっていた。目的は、これらの人々を恐怖に陥れ、占領下にあるパレスチナ地域ではキリスト教徒は望まれていないことを示すことだった」と声明は主張する。

パレスチナのルーラ・マアーヤ観光・遺跡庁長官はアラブニュースに対し、この攻撃はパレスチナの観光産業を狙った組織的なキャンペーンの一部であると語った。「これはパレスチナの市民や聖地に対するイスラエルの占領者たちの継続的な攻撃の一部ですが、パレスチナの観光に影響を与えようとしても成功することはありません」 とマアーヤ氏は言った。2019年にはベツレヘムに記録的な数の観光客が訪れ、その数は325万人に上ったという。

ローゼンフェルド広報官は、ナイフで武装した男には安全を脅かすほどの危険性はなく、観光は影響を受けていないと主張した。「地域の観光は機能しており、何千人もの人が何の問題もなく教会を訪れることができている」と氏は述べた。

エルサレムに本拠を置くパレスチナ全国キリスト教団体連合会のディミトリ・ディリアーニ会長は、イスラエル政府に対し事件および攻撃者に示された寛大さの責任を負わせると述べた。

「これはばかげた主張です」。事件に危険性はなかったとするローゼンフェルド広報官の発言についてディリアーニ氏は述べた。「イスラエル警察は、ユダヤ人テロリストを保護する措置を取ったのです。イスラエルのパレスチナ人に対する制度的人種差別および人間性破壊行為の証しです。(拘束された男性が)パレスチナ人だったら、たとえその人物に危険性がなかったとしても、その場で撃たれていたことでしょう。こうしたことを私たちは何度も目にしているのですから」

パレスチナ外務省の声明はさらに、男が自分の意志で行動していたのか、あるいは他人の指示に従っての行動だったのかについても疑問を呈しており、「男は、世界中のキリスト教徒にとって特別な時期にパレスチナ地域のキリスト教観光にダメージを与えるよう、意図的に送られたのではないか?」と尋ねている。

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