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治安部隊によると、レバノンの暴徒は「組織化」しており、これについてハリリ暫定首相は「崩壊の循環」に陥る懸念を表明している

ベイルートで日曜日、機動隊が反政府のデモ隊に対してゴム弾を発射した。(写真AP通信/Hassan Ammar)
ベイルートで日曜日、機動隊が反政府のデモ隊に対してゴム弾を発射した。(写真AP通信/Hassan Ammar)
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21 Jan 2020 04:01:38 GMT9
21 Jan 2020 04:01:38 GMT9

Najia Houssari

ベイルート:レバノン治安部隊によると、国内でデモ活動をしている人たちで編成されたグループが、大統領宮殿で月曜のミシェル・アウン大統領との会合に対して暴動を起こす目的で潜入していたという。

治安部隊の司令官は、この情報を公開することによって「平和的なデモに参加する人の安全を確保し、公的財産や私有財産への攻撃を防ぐための必要措置であり、その一方で暴徒を抑止し、司法と連携して法の執行を行うつもりだ」と述べた。

今回の情報公開は、抗議活動をする人と内務省警察軍(ISF)の間で交わされた激しい抗争を受けて、決定された。この抗争では、催涙ガス、発煙弾、ゴム弾の使用があり、重傷を負った民間人やジャーナリストも出ている。

司令官は、2019年11月に抗議活動が始まって以降の、事態のなりゆきをまとめた治安報告書を開示した。その報告書では、「デモグループが暴動を目的として潜入した事態への対策」について言及されている。

アウン大統領は、暴動を起こすおそれがある人と、平和的な抗議活動をしている人とを見極めるよう求めた。

サード・ハリリ暫定首相は会議に出席せず、その代わりに次のようなツイートをしている。「崩壊と景気後退と治安悪化の循環に歯止めをかけるために、我が国はすみやかに新政府を樹立する必要がある。

我々の政権が辞職したのは、広く受け入れられる変化を調整する新政権を発足させるためだった。ところが、支障をきたした状態のままもう90日が過ぎ、レバノンは明日をも知れぬ方へ向かっている」。そのあとさらに「暫定政権を継続しても解決にはならない。だからもう時間の浪費は止めて、責任が負える政府を立てよう」と続けている。

始めの3か月は平和的な抗議運動だったが、政治家のエリートたちが彼らの要求に関心を払わない状況を受け、反対派の人々は「革命的暴力」と彼らが名付けた行動へと移行した。3週間連続で月曜に、議会周辺のバリケードを突破しようと試みたものの、機動隊によって追い払われていた。

Eid Khodrさんという若い男性の父親によると、Eidさんはゴム弾を受けて頭蓋骨を損傷する傷を負ってしまったという。

「私たちは身を守る準備をしていました。ヘルメットを頭にかぶり、フェイスマスクと水対策のビニールコートも着けました。それ以上、どうすればよかったというのでしょう。胸には「報道」という文字をつけ、少し離れたところにいました。それでも、機動隊は私たちに狙いを定めてゴム弾を発射し、それが足に当たったのです」とジャーナリストのIhab Al-Akdiさんはアラブニュースに語っている。

29歳のサッカー選手であるSanaa Al-Sheikhさんは、土曜日に治安部隊と争い、議会周辺の障害物や有刺鉄線に上った。警察激しい暴行を受け、今も病院で背中に受けた傷の治療を受けている。

Al-Sheikhさんはトリポリ出身で、レバノンサッカー協会の審判員でもある。スポーツコーチを約15年務め、法律の学位を取得しており、トリポリで「Sanaa Star」というのスポーツ専門学校を運営している。

「政治階級の人たちは、国民の声に耳を傾けるべきです。私たちの関心をそらそうとしている人がいるんです。内務省警察軍の警官たちは、私たちの次の世代。抗議をしている人たちもそうです。市民は人として罪を犯しているのに、誰もそれを抑えることができない。しかし、彼らの罪と治安部隊の罪を比べることなんてできません」と、ベイルート弁護士協会の会長Melhem Khalafさんはそうアラブニュースに語った。

SNSメディア上では、海外在住のレバノン人に対し、ダボスで開かれる世界経済フォーラムへの接触や意見を送ってくれるよう求める呼びかけが見られる。世界経済フォーラムには、ジブラーン・バシール暫定外相が出席の予定。

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