• 「悪循環に囚われた」国々を助けるために富裕国は年間5000億ドルを提供すべき

ドーハ：国連のアントニオ・グテーレス事務総長は4日、世界の富裕国やエネルギー大国が「搾取的な」金利や法外なエネルギー価格によって貧困国を窒息させていると非難した。

グテーレス事務総長はカタールの首都ドーハで40ヶ国以上の最貧国の指導者らに対し、経済や不可欠なサービスを強化する取り組みが阻害されるという「悪循環に囚われた」国々を助けるために富裕国は年間5000億ドルを提供すべきだと述べた。

「後発開発途上国（LDC）会議」は通常は10年ごとの開催だが、コロナウイルスパンデミックにより2021年以降2度延期された。

ドーハの会議にはLDC46ヶ国が参加しているが、いずれも最貧国であるアフガニスタンとミャンマーの姿はない。両国は国連加盟国によって承認されていないからだ。

世界の主要経済国の指導者は1人も出席していない。

5日に始まるLDC全体会議に先立って行われた首脳会議において、グテーレス事務総長は早速、大国による貧困国の扱い方を激しく非難した。

事務総長は次のように述べた。「資源が不足し、債務に溺れ、新型コロナ対応における不平等という歴史的な不正義に未だ苦しんでいる国にとって、経済発展は困難だ」

LDC諸国は、新型コロナワクチンが主に欧州や北米に行き、自分たちが公平な取り分を得ることができなかったと訴えている。

「資本コストが高騰している」上、届く資金援助は「焼け石に水」なため、「自分たちが原因を作っていない気候災害への対策も困難」だ。

「化石燃料大国ががっぽり儲けている一方で、あなた方の国では食卓に食事を並べることもできない人々が何百万人もいる」

事務総長は、最貧国は「デジタル革命」から取り残されているうえ、ウクライナ戦争が食料や燃料の価格高騰に拍車をかけていると指摘した。

「世界の金融システムは富裕国によって、主に自分たちの利益のために設計されている」

「あなた方の国の多くは流動性不足に陥っており、搾取的な金利のせいで金融市場から締め出されている」

多くの大統領や閣僚がLDC諸国への融資条件を非難した。LDC諸国の債務は10年で4倍以上に膨れ上がり、2021年には推定500億ドルに達した。

東ティモールのジョゼ・ラモス・ホルタ大統領は金利について、「強欲」かつ「無神経」なものだと述べた。

首脳会議の議長を務めたマラウイのラツルス・チャクウェラ大統領は、「約束が破られた」と強調したうえで、援助は「慈善行為」ではなく「道徳的責任」だと述べた。

事務総長によると、富裕国は国民総所得の0.15-0.20%をLDC諸国に提供するという約束を果たさなかった。

事務総長は、貧困国は「貧困と不正義を永続させる最悪の状況」に囚われているため、LDC諸国は自国の問題を克服し、雇用を創出する産業を作り上げ、債務を返済するために「最低でも」年間5000億ドルを必要としていると指摘した。

また、国連は富裕国に対し、貧困国が気候変動対策を行うための資金として別途約束された数千億ドルを提供するよう「要求し続ける」と述べた。

「ドーハ行動計画」と呼ばれる提案のもと、干ばつや価格高騰によって飢餓の危機に直面する国々を助けるために食料備蓄システムが構築される予定となっている。

この提案は、LDC諸国が債務の影響を緩和するために国外から資金を集め金利を下げるのを支援する新たな取り組みを行うことも求めている。

ブータンは今年、バングラデシュ、ラオス、ネパール、アンゴラ、サントメ・プリンシペ、ソロモン諸島と共に、2026年までにLDCを「卒業」する見込みの7ヶ国のうちのひとつとなる。

しかし、これらの国は貿易や援助に関する特権を徐々に失うことになる。事務総長は、これらの国は「支援システムが目の前で消えるという巧妙かつ非情なトリックの犠牲」になる危険があるため、LDCから脱却した後も支援を必要とするだろうと指摘した。

AFP