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パレスチナ人はロシアと中国による調停を歓迎する一方、米国の偏向を非難

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15 May 2023 11:05:52 GMT9
15 May 2023 11:05:52 GMT9

ロンドン:パレスチナ人の大多数が、中国とロシアをイスラエルとの和平交渉の仲介役として有望視していることが、最近の調査で明らかになった。

アラブニュースの依頼により、YouGovが5月に実施した調査では、パレスチナ人が最も好ましいと考える和平仲介役はロシア、次いで僅差で欧州連合、中国となり、米国はヨルダン川西岸とガザの住民にほとんど人気がないことが明らかになった。

パレスチナ人の志向に関する調査結果について、ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は「ロシアは希望を託してくれた人々を裏切ったことはありませんから」と結んだ。

ロシア外務省情報報道部(IPD)は、「モスクワは、アラブニュースへのIPDのコメントにあるように、既存の国際的な法的枠組み、アルタイフでのアラブ和平イニシアチブ、イスラエルとパレスチナの間で二国家解決に基づいた交渉プロセスを通じて達成された下地は、紛争当事者間の直接交渉を再開するための基礎となると今も確信しています」と述べた。

さらにIPDは、「私たちの立場は明確であり、不変であり、政治的な状況に左右されるものではありません。私たちは、パレスチナの友人やイスラエル側にも、常に このことを伝えています。」と加えた。

昨年10月、パレスチナ自治政府はロシアのプーチン大統領に対し、パレスチナの人々は、ロシアを含む4カ国からなる中東カルテットの一員として参加する場合のみ、米国の仲介を検討してもよいと述べた。

3月に中国がサウジアラビアとイランの外交協定の仲介に貢献したことを受け、この問題について明確な意見を表明した調査回答者の80%が、イスラエルとパレスチナの和平交渉における中国の役割を支持した。

12月、習近平国家主席がリヤドを公式訪問した際、サウジアラビアとイランの対立の解決に協力する意向を表明。その後、3月に北京で5日間にわたる協議が行われ、地域諸国の主権尊重、国交回復、イランとサウジアラビアとの間で合意していた二国間条約の復活などが合意された。

この成功を受けて、中国は4月、エルサレムの緊張が高まる中、イスラエルとパレスチナの和平交渉の仲介を申し出、一刻も早い再開を促した。

中国に対するスタンスとは逆に、60%近くの参加者が、パレスチナとイスラエルの交渉を米国が仲介することについて不信感を抱いていると回答したが、これは86%の回答者が、米国がイスラエルに対して大きな影響力を持っていると考えているにも関わらず、このような結果となった。あるいはむしろそのためなのかもしれない。

ロンドンに拠点を置くアラブ・イギリス理解推進協議会(CAABU)の事務局長は、「パレスチナ人がアメリカを中立または公平な仲介者とみなしたことは未だかつてありません。パレスチナの指導者が米国を容認してきたのは、端的に言って、米国が長年にわたって世界唯一の超大国であったため、そうする他に選択肢がなかったからです」と述べている。

事務局長は、アラブニュースの取材に対し、「指導者を含むパレスチナ人が、米国を信頼できる仲介者と見なしたことがないことには、実に多くの理由があるのです」と述べた。

「米国は、親イスラエルであること、イスラエルと戦略的同盟を結んでいることを公然と表明しており、議会では日常的に親イスラエル的な決議を可決しています。そしてもちろん、イスラエル国家とその行為に批判的な安保理決議を可決しようとする試みには拒否権を発動するのです」とドイル氏は説明する。

また、「この地域における米国の立場は明らかに低下しています」と指摘し、「その一因は、オバマ政権に遡る歴代の大統領が、アジアに軸足を置き、中東との関わりを減らし、長引く紛争に巻き込まれることを避けようとしたことにあるのです」と説明した。

「したがって、この地域での米国の調停努力や関与はますます少なくなっています。まだその存在感はあり、主要ではないとは言いませんが、かつてのような存在ではなくなりつつあります。例えば、クリントン政権や、10年前にジョン・ケリー元国務長官が精力的な外交を展開していた頃とは違うのです。」

また、回答者が提案した5つの主要国(ロシアと並び、米国、EU、日本、中国)の中で、EUは2番目に好ましい仲介者であったが、ドイル氏は、「EUの問題は、多くの中・東欧諸国が1980年以降存在していた国際合意からますます離れていっており、分裂していることです」と述べた。

「国際的な国内法に基づいた賢明な立場をとっている、主に西ヨーロッパ諸国の中核グループがあります。ですから、今、EUが調停者であるという考えは、その役割を果たすことができるような統一性を持っていないために、かなり突飛な考えに思えます」と彼は続けた。

ドイル氏は、EUが「このように行動し、米国とイスラエルがEUにかける圧力を無視する政治的勇気を持たなければならないが、今のところ、十分な政治的意志はないでしょう」と指摘した。

ドイル氏によれば、より良い調停モデルは、「国連を通じて、米国を含む主要国が関与し、そのようなプロセスから生まれたあらゆる合意の保証人となること」だという。

また、和平交渉が何度も失敗していることについて、米国のイスラエルへの偏向を非難する回答もあった。ドイル氏は、「米国がイスラエルとパレスチナの和平交渉の唯一の仲介者になれるという考えは、もはや信憑性がありません。外部の人間にとってではなく、何よりもパレスチナ人にとって。」と強調した。

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