Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

アラブ連盟首脳会議はスーダン紛争終結のまたとない機会を提供する:ジブチ外相

アラブニュース・アン・フランセに対しスーダン紛争について語る、ジブチのマハムッド・アリ・ユスフ外相(左)。(ファイル/AFP/ロイター)
アラブニュース・アン・フランセに対しスーダン紛争について語る、ジブチのマハムッド・アリ・ユスフ外相(左)。(ファイル/AFP/ロイター)
Short Url:
18 May 2023 11:05:53 GMT9
18 May 2023 11:05:53 GMT9
  • マハムッド・アリ・ユスフ外相は、アラブ諸国の国家元首らはスーダンの指導者らに最大限の圧力をかけて人道回廊を確保しなければならないと述べた
  • ジェッダで開催される首脳会議は、アラブの結束と世界の舞台でのリーダーシップへの意欲の高まりを示す機会

サミア・ハニフィ

リヤド:サウジアラビアの都市ジェッダで19日に開催されるアラブ連盟首脳会議は、アラブ諸国の指導者らにとってスーダン紛争を解決するための「またとない機会」になるだろうと、ジブチのマハムッド·アリ·ユスフ外相はアラブニュース·アン·フランセに対し語った。

アラブ連盟加盟国であるスーダンは、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間の1ヶ月以上におよぶ戦闘で揺さぶられている。この紛争によって数十万人が難民となり数百人が死亡した。

2005年からジブチの外相を務めているアリ·ユスフ氏は今週行われたZoomによるインタビューの中で、「スーダンの紛争は極めて深刻だ」と語った。

「いずれも軍事的に十分な装備を持つ二つの軍隊が首都をはじめとする都市部で戦闘を繰り広げており、損害、人命喪失、難民発生をもたらしているという意味で深刻なのだ」

「規模の点で、この紛争の重大さは疑いようがないと思う」

サウジアラビアは外国人の退避プロセスや停戦に向けた仲介努力において主導的な役割を果たしている。アリ·ユスフ外相はサウジアラビアの努力を称賛したうえで、アラブ連盟は今こそ紛争当事者に対し集団的に圧力をかけなければならないと言う。

「アラブ諸国の国家元首らにとって、スーダンの紛争当事者や利害関係者に対し、紛争をやめ、停戦を確立し、人道回廊を開設し、政治プロセスへの復帰に努めるよう圧力をかけるまたとない機会が今訪れている」

「国家元首らはこの機会をとらえてスーダンの指導者らに最大限の圧力をかけなければならない(…)アラブ連盟首脳会議は断固たる決議を発表すべきだと思う」

ジブチはアフリカの角の北東部沿岸、バブ·エル·マンデブ海峡の近くという戦略的な位置にある小さな国だ。同国の東にある同海峡は紅海とアデン湾を分けている。同国は1977年にアラブ連盟に加盟した。

中東とアフリカの合流点に位置すること、また互いに競合する世界の諸大国の軍事基地や商業拠点が複数あることから、ジブチの外交政策は類を見ないほど多面的なものになっている。

このような立ち位置が、19日の首脳会議のもう一つの主要な特徴に対するジブチの姿勢に影響を与えていることは間違いない。それは、シリアのバッシャール·アサド大統領の政府が、2011年に同国がアラブ連盟への参加資格を停止されて以来初めて参加することである。

アリ·ユスフ外相は、「まず、ジブチが(シリアの)復帰にいかなる条件も設定していないことは断言できる」と言う。

「シリアはアラブ連盟の創設メンバーとして常に中心的な役割を担ってきたと我々は考えている。(…)常にアラブ連盟の行動の中心にいた、真に中心的な国である。これが第一の要因だ」

「第二の要因は、地政学が変わりつつあることだ。中東地域の地政学は静的ではなく動的だ。そして今こそシリアが復帰すべき時だと思う。シリアはアラブ連盟の中だけでなく中東地域の中で今でも主要なプレイヤーだからだ。無視できない国だ」

シリアの復帰に関するアラブ諸国指導者らの共通の懸念は、同国領内に過激派組織ダーイシュが存在し続けている中での安全保障、難民の権利、そしてアラブ世界の西側同盟国諸国がアサド政権に今も科している制裁だ。

アリ·ユスフ外相は続ける。「もちろん、これらの懸案事項は国家元首らやアラブ諸国指導者らの間で議題に上るだろう。彼らはきっと、対話を通した解決の試みの中で一部の人々から提起された訴えや条件に対処するはずだ」

19日の首脳会議はさらに、サウジアラビアとイランが今年になって中国の仲介のもとで和解したことを受けて最近改善しつつあるアラブ諸国とイランの関係を確かなものにする機会でもあると同外相は見る。

「イランとアラブ諸国の間に存在するこの対立の解決は中東諸国の利益にかなうことだと思う」

「イランが中東アラブ諸国において派閥やテロ組織を使って特定の政策を追求したことが何度もあった。アラブ諸国は常にいわゆる『封じ込め』政策を取って、アラブ諸国におけるイランの行動をある程度封じ込めようとしてきた」

「今回は理性が勝利したかもしれないと思っている。中国の仲介のおかげでイランとサウジアラビアは国交を回復し、安全保障や政治情勢の点で多くの国において既にその影響が現れつつある」

アリ·ユスフ外相にとって、アラブ連盟首脳会議はアラブの結束と世界の舞台でのリーダーシップへの意欲の高まりを示す機会でもある。そのリーダーシップはエジプトとサウジアラビアによって提供されると同外相は考える。

「我々にはリーダーシップが必要だと考える。(…)アラブ世界にリーダーシップがあればアラブ諸国は結束して強くなれる。あらゆる困難をものともせずにその責任を担える主導的な国があれば」

「アラブ世界には、そのような結束の原動力になれる国が一つ、いや二つ必要だ。その二つの国は力と団結を通して、アラブの人々のためのより良い未来に向けたアラブ諸国間の関係強化というこの運動を主導できるだろう」

「私の念頭にあるのはサウジアラビアとエジプトだ。両国は原動力のような役割を果たすことができる。エジプトとサウジアラビアの関係が強力なものとなって、アラブの人々が望み求める未来に向けて他の全ての国々を引っ張っていくことが非常に重要だ」

特に人気
オススメ

return to top