• ラシャド・アル・アリミ議長は、フーシ派による石油関連施設への攻撃のせいで、人道危機が悪化し、政府から公務員への給与支払いが妨げられる恐れがあると述べた。

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー、イエメン：イエメン大統領指導評議会のラシャド・アル・アリミ議長は14日、イランが支援するフーシ派に対し石油関連施設への攻撃をやめるよう圧力をかけるために、米国をはじめとする国際社会に協力して取り組むよう呼びかけた。イエメン政府はフーシ派による攻撃で数十億イエメンリヤルの石油収入を失っている。

アル・アリミ議長は、米国のイエメン特使ティム・レンダーキング氏とリヤドで会談した際、フーシ派による石油関連施設への攻撃、政府支配地域から同派支配地域への商品輸送の禁止、銀行部門に対する嫌がらせのせいで、人道危機が悪化し、政府から公務員への給与支払いが妨げられる恐れがあると述べた。

あるイエメン政府関係者（匿名希望）はアラブニュースに対し次のように語った。「アル・アリミ議長はレンダーキング氏に対し、フーシ派による攻撃が行われる中で米国をはじめとする国際社会が責任を引き受ける必要があると伝えた。これらの攻撃のせいで、今月から公務員への給与支払いが不可能になる可能性を含め、甚大な人道危機が（引き起こされる）恐れがある」

大統領指導評議会メンバーのスルタン・アル・アラダ氏も同様に、フーシ派が石油関連施設への攻撃や、政府支配地域からの商品や調理ガスの輸送に対する禁止を継続するならば、イエメン政府はサヌア空港発の商用便やホデイダ港に到着する船舶に関わる便宜を見直すことになるだろうと警告した。

同氏は次のように述べた。「フーシ派が人々の苦しみと引き換えにホデイダ港やサヌア空港を軍事目的で使用し続けるならば、それらに関わる全ての手続きを再検討することになる」

フーシ派は自分たちの支配地域の業者に対し、アデン港などの政府支配下の港を経由して商品を輸入することを禁止し、ホデイダ港のみを利用するよう強いている。

また、商品が陸路で政府支配地域からフーシ派支配地域に入ることも妨げており、最近には数百台のガスタンクローリーが中部の都市マアリブから同派支配地域に入るのを阻止した。

イエメン政府はフーシ派によるこれらの行動を、資金を枯渇させることで政府を屈服させ、同派への石油収入分配や同派支配地域の公務員への給与支払いに応じさせることを意図した戦争と呼んだ。

一方、イエメン中央銀行のアフメド・ビン・アフメド・ガレブ総裁によると、フーシ派が同国政府に対する経済措置を強化した結果、政府は原油輸出の停止を余儀なくされるなどして数十億イエメンリヤルの収入を失った。

ガレブ総裁はイエメン国営テレビによるインタビューの中で、昨年4月に国連仲介停戦が始まって以来、業者が政府の港の利用をやめてフーシ派支配下の港を使うようになったため、政府は原油輸出停止のせいで10億ドルを、税金・関税収入減少のせいで7000億イエメンリヤル（28億ドル）以上を失ったと語った。

同総裁は、「我々は多くの財源を失った。停戦の結果、税金・関税収入を失ったのだ」として、その損失は7000億イエメンリヤル、1ヶ月あたりで500億イエメンリヤルに上り、軍と治安部隊の給与に匹敵すると述べた。

また、「10億ドルの石油輸出収入を失った。そして現在、フーシ派が自分たちがまだ支配している地域からのガス購入を妨げているせいで、ガス販売収入も失っている」と述べた。政府の現在の支出のうち政府の財源で賄えているのは30%に過ぎないという。

財源が減少しているにもかかわらず、中央銀行はスイスの金融機関における投資ポートフォリオや米連邦準備銀行における金（きん）など、国内外で「十分な」外貨準備高を維持しているとガレブ総裁は言う。

「中央銀行はあなたが想像する以上の準備高を持っている。物価と通貨を維持するという機能を果たすのに十分な準備高だ。預金もあるし投資ポートフォリオもある」