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レバノンの経済危機が深刻化する中、わずか6歳の子どもが労働を余儀なくされている

国連児童基金(ユニセフ)の年次調査によると、90%の世帯が、4年にわたる経済危機の中で、他の支出を切り詰めたにもかかわらず、必需品を購入するのに十分な資金を持っていないという。(AFP/ファイル)
国連児童基金(ユニセフ)の年次調査によると、90%の世帯が、4年にわたる経済危機の中で、他の支出を切り詰めたにもかかわらず、必需品を購入するのに十分な資金を持っていないという。(AFP/ファイル)
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22 Jun 2023 04:06:43 GMT9
22 Jun 2023 04:06:43 GMT9
  • 10%以上の世帯の子どもが労働に駆り出されている
  • 調査によると、15%の世帯が子どもの就学を断念している。

ナジャ・フーサリ

ベイルート:レバノンでは、経済危機が深刻化する中、家庭が基本的な生活すらままならない状況に陥り、わずか6歳の子どもが労働に駆り出されるケースが急増していることが国連の報告書で明らかになった。

国連児童基金(ユニセフ)の年次調査によると、90%の世帯が、4年にわたる経済危機の中で、他の支出を切り詰めたにもかかわらず、必需品を購入するのに十分な資金を持っていないという。

世帯の10%以上がやむを得ず子供に仕事を見つけさせており、この数字は同国が抱える150万人のシリア難民では25%に上る。ケーススタディによると、小学校に入学するはずの子どもたちの多くが、現在働くことを余儀なくされている。

ユニセフの調査によると、子どもの就学を断念した世帯は昨年の10%から15%に増え、教育への支出を減らした世帯は昨年の38%から52%に増えた。

レバノンに駐在するユニセフ代表のエドワード・ベグベデ氏は、経済崩壊は子どもたちにとって「耐え難い絶望的な」状況を生み出していると述べた。「複雑で深刻化する危機は、子どもたちの気力に影響を与え、精神的健康を害し、より良い未来への希望を消滅させる恐れがある」とベグベデ氏は述べた。

報告書によると、経済的圧力が親の精神的健康にも打撃を与え、それが親の子どもへの接し方にも連鎖的な影響を及ぼしているという。

ユニセフによると、調査実施前の2週間で、60%が子どもたちに対して怒鳴る必要を緊急に感じたことがあると回答し、20%が身体的暴力につながりそうな激しい怒りを感じたと回答していた。

そのような状況は「子どもの精神的健康に深刻なダメージをもたらし、養育者の70%が子どもたちが不安やストレスを感じ、動揺しているように見えたと答えている」と報告書は述べている。「半数近くが、子どもたちが非常に悲しそうであったり、頻繁に落ち込んでいるように見えると答えている」

ユニセフはまた、医療への支出を削減した世帯が昨年の60%から75%に増えたことも明らかにした。一方、資産の売却を余儀なくされた世帯は40%で、昨年から倍増した。

ユニセフは、「社会的保護制度に欠陥があり、基本的なサービス、特に教育と医療へのアクセスが制限されていることが、家族が危機に対処することをより困難にしている」と付け加えた。

ユニセフはレバノン政府に対し、「最近策定された国家社会保護戦略の実施を加速」させるよう促した。この戦略には、「最も弱い立場にある家庭や子育て中の人々を含む、困窮している人々に社会的補助金を支給する計画が含まれている」という。

また、政府に対し、「すべての子どもたち、特に最も弱い立場にある子どもたちが、包括的で質の高い教育を受けられるように、改革と国家政策を通じて教育に投資する」よう求めた。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、レバノンの20万人のパレスチナ難民の多くもまた、計り知れない重圧にさらされていると述べた。

「レバノンのパレスチナ難民の絶望は筆舌に尽くしがたい」とラザリーニ氏は述べた。「パレスチナ難民の貧困レベルは80%に達する」

「先月、UNRWAは衛生要員を13人募集した。大学の学位を持つ難民を含め、少なくとも3万7000件の応募があった」

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