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イスラエルがドローン攻撃でパレスチナ兵士を殺害、抗議デモが発生

ヨルダン川西岸地区のイスラエル占領区域にあるジェニンで、イスラエルのドローン攻撃でパレスチナ人兵士3人が殺害されたのを受けて行われたゼネストの最中、閉まっている店の外に座り込む男性。2023年6月22日(ロイター)
ヨルダン川西岸地区のイスラエル占領区域にあるジェニンで、イスラエルのドローン攻撃でパレスチナ人兵士3人が殺害されたのを受けて行われたゼネストの最中、閉まっている店の外に座り込む男性。2023年6月22日(ロイター)
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23 Jun 2023 06:06:50 GMT9
23 Jun 2023 06:06:50 GMT9

モハメッド・ナジブ

ラマッラー: 22日、24時間前にイスラエルがドローン攻撃でイスラエル兵士3人を殺害したことに対する抗議デモが、ヨルダン川西岸地区イスラエル占領区域内、火種となったジェニンで発生、ゼネストが宣言された。

攻撃は、ここ数日、暴力行為が激化する中で発生した。

イスラエル軍はジャラマ付近で銃撃攻撃が発生した後、実行した武装勢力の一団を特定した、と発表した。

武装勢力「イスラム聖戦」は声明の中で、うち2人は「イスラム聖戦」の兵士で、1人はファタハの武装組織であるアル・アクサ殉教者旅団のメンバーだった、と発表した。

偵察ドローンの使用は日常的だが、エルビット製のドローン「ヘルメス」を用いた攻撃をイスラエル軍がヨルダン川西岸地区で行うのは2006年以来だ、とイスラエル国防軍(IDF)は発表した。

ジェニンでの軍事行動ではガンシップも使用された。

イスラエルの軍事専門家であるエヤル・アリマ氏はアラブニュースに対し、パレスチナ人武装勢力はヨルダン川西岸地区のイスラエル軍および入植者の大きな脅威であることから、軍はドローンを用いて危険の排除に乗り出した、と述べた。

アリマ氏はまた、イスラエル治安部隊は、ヨルダン川西岸地区北部における大規模な軍事行動については損害が恩恵を上回る恐れがあるので反対している、と述べた。

しかし、イスラエルの政治専門家であるヨニ・ベン・メナケム氏によると、イスラエルは、アメリカがヨルダン川西岸地区北部における軍事行動を妨げていることから、暗殺という手段に訴えようとしているという。

サウジアラビアは22日、イスラエル人入植者がヨルダン川西岸地区でパレスチナ人の村複数に対して行った攻撃を強く非難した。

21日には何百人ものイスラエル人入植者がパレスチナ人の町を襲撃し、十数台もの車や家々に火をつけた。

サウジアラビア外務省はパレスチナ市民に対する脅迫行為はいかなる条件においても受け入れない、と表明した。

これは、パレスチナ問題に関する、国際的な決議およびアラブ和平イニシアティブに基づいた公正かつ包括的な解決を目指す国際的な努力の全てに対する、サウジアラビアのゆるぎない支持を改めて表明するものだ。

一方、22日に公表されたイスラエルのデータによると、ベンヤミン・ネタニヤフ氏が首相を務めるイスラエルの極右政権は、過去6カ月の間にヨルダン川西岸地区の入植地での住宅合計13000軒の建設を承認したという。

ネタニヤフ首相は21日、ラマッラー北に位置する入植地エリの拡大を宣言し、新しく住宅1000軒を建設すると発表した。

アメリカのドナルド・トランプ大統領の任期の最終年の間に、ヨルダン川西岸地区で7000軒の入植者用住宅建設が着手された。この年は承認された住宅数が10000を超えた年だったことから、ヨルダン川西岸地区での入植地建設が特に大きな実りをみせた年と考えられた。

ジョー・バイデン大統領の反対にも関わらず、イスラエルの現政権はこのわずか6カ月のうちに13000軒を超える住宅の建設を承認した。

イスラエル政府は、国際社会の警告を無視して入植計画を継続して実行している。最新の警告は19日、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が声明で行ったもので、その中で同氏はイスラエルにヨルダン川西岸地区の占領区域における入植活動に関する「不穏な決定」を中止するよう求めた。

アメリカの仲介によってパレスチナ当局との間で交わされた最新の合意の中で、イスラエル政府は6カ月間ヨルダン川西岸地区における入植活動に法的な承認を与えないことで合意した。 

イスラエルの現政権の大臣および元軍事指導者らは、ネタニヤフ政権にヨルダン川西岸地区北部の町で大規模な軍事行動を行うよう求めている。

アヴィグドール・リーベルマン元防衛相は22日「近いうち、カッサーム(ハマスの軍事組織)ロケットが、ジェニンからヨルダン川西岸地区北部およびグッシュ・ダンに向けて発射される」と述べた。

「ヨルダン川西岸地区北部のパレスチナ人組織はミサイル発射能力を確保しようとしており、ガザ地区で最初に起きたのと同様に、彼らが何十、あるいは何百ものカッサームロケットを使用できるようになるのは時間の問題であることは、まともな人なら誰でも分かることだ」

リーベルマン元防衛相はガザ地区を攻撃するよう要求し、「ヨルダン川西岸地区のレジスタンスを鎮圧したいのならガザ地区から始めるべきだ、つまりハマスのリーダーらを標的にすべきということだ」と述べた。

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