Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • ネタニヤフ首相が退院 イスラエルの議員たちは分裂を引き起こす改革案の採決へ

ネタニヤフ首相が退院 イスラエルの議員たちは分裂を引き起こす改革案の採決へ

2023年7月24日、数ヶ月間続く政府の司法改革案に対する抗議の最中、イスラエルの警備隊員が、エルサレムの議会(クネセト)入口を封鎖するデモ隊を排除するために出動。(AFP)
2023年7月24日、数ヶ月間続く政府の司法改革案に対する抗議の最中、イスラエルの警備隊員が、エルサレムの議会(クネセト)入口を封鎖するデモ隊を排除するために出動。(AFP)
Short Url:
24 Jul 2023 06:07:24 GMT9
24 Jul 2023 06:07:24 GMT9

エルサレム:イスラエルの議員たちは月曜日、右派政府が推進する、物議を醸す司法改革の主要部分に関する最終投票に備えた。ジョー・バイデン米大統領が延期を呼びかけた、この「分裂的」な法案は大規模な抗議行動を引き起こしている。

イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領が妥協点を見出そうと最後の努力をする中、議員たちは夜を徹して議論を行った。大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がペースメーカーを装着する手術を受けていた病院を訪れ、同首相と面会した。

月曜日には、ペースメーカーの装着手術後、ネタニヤフ首相がシェバ・メディカルセンターから退院したと発表された。

ネタニヤフ首相は日曜日に病室から、退院後は投票のために国会に行くと述べていた。

同司法改革案は1月に発表されて以来、国民を分裂させており、イスラエル史上最大の抗議運動のひとつを引き起こした。

月曜日にも抗議者たちは再び街頭に繰り出した。彼らは議会近くに集まり、中には野宿する者もいて、ネタニヤフ首相による、最高裁権限を制限する提案に対する反対を表明した。

批評家たちは、この変更がイスラエルの民主主義を弱体化させることを恐れている。

数カ月に及ぶ反政府デモの中心地となったテルアビブにも、政府とその改革案を支持する数千人のデモ隊が集結した。

この法律案は、「不合理」と判断された政府の決定を裁判官が取り消す権限を制限するもので、月曜日にはクネセト(国会)で採決が行われる予定だ。

危機が収束に向かうと思われたとき、バイデン大統領はイスラエルの指導者たちに採決を延期するよう求めた。

「イスラエルの友人であるアメリカ人の立場から見ると、現在の司法改革案は分裂を減らすどころか、ますます分裂を深めているように思える」と、ニュースサイトのAxiosが初めて公表し、後にAFPと共有した声明で大統領は述べている。

「イスラエルの指導者たちがこれを急ぐことは、理にかなっていない。焦点となるべきは、人々が集まり、合意を見つけることにあるべきだ」

日曜日に米国から帰国したヘルツォグ大統領は、妥協案を模索するために直接関与しようと、野党の党首であるヤイール・ラピード氏とも会談した。

「今は緊急事態であり、合意に達することが必要だ」と、ヘルツォグ大統領は彼のオフィスが発表した声明で述べた。

同事務所は、ネタニヤフ首相やラピード氏との会談についてのコメントを避けた。

73歳のネタニヤフ首相がペースメーカー装着手術を受けていると同首相事務所から発表されたのは、彼が「めまい」のため入院してから数日後のことだった。

日曜の午後、ネタニヤフ首相は「私は快方に向かっている」とビデオで発表した。

「我々は法案を完成させる努力を続けている。(野党と)合意して法案を完成させる努力も続けている」と、首相は述べた。

「いずれにせよ、明日(月曜日)の朝、私は国会で友人たちと合流するということを知っておいてほしい」と彼は語った。

改革を推進するヤリヴ・レビン法務大臣は、議員に提出される法案はすでに批判的な意見に対応するための変更が加えられているとしながらも、連合はまだ「理解」に対して前向きであると付け加えた。

「理解が意味する所は、野党も譲歩する意思があるということだ」と彼は日曜日のテルアビブの集会で支持者に語った。

極右や超正統派ユダヤ人の同盟者を含むネタニヤフ政権は、現在提案されている改革案について、選挙で選ばれたわけでもない裁判官による行き過ぎを防ぎ、より良い権力バランスを確保するためのものだと主張している。

反対派は、汚職容疑と裁判で争っているネタニヤフ首相には利害の対立があると非難し、一部のデモ参加者は彼に「犯罪者の首相」と呼んでいる。

「私たちは圧力をかけ続けなければならない。民主主義を守らなければならない」とデモ参加者の一人、アミール・ゴールドスタイン氏は語った。
日曜日の議場内で、ラピード氏はこのような懸念を口にした。

「私たちはユダヤ人国家、民主主義国家に住み続けたい。私たちは、この法案を阻止しなければならない」
野党党首のベニー・ガンツ氏も同様の呼びかけを行った。

「我々はまだ止めることができる。合理性条項について、合意に達することができるのだ」と、彼はクネセトで発言した。「我々はすべてを止めなければならない」

もし法案が承認されれば、この「合理性」条項は法制化される改革の最初の主要部分となる。

他の改革案には、裁判官の任命について政府がより大きな発言権を持つようにすることなどが含まれている。

この抗議デモは、世俗派や宗教団体、平和活動家や予備役軍人、ブルーカラーやハイテク部門の労働者など、様々な政治的・社会的階層を超えて支持を集めている。

司法改革案に反対するデモ参加者の一人、シャナ・オルリク氏は、これは彼女が「女性差別主義者かつ、極右の政府」と呼ぶものに反対する集会だと語った。

「私たちには憲法がない。私たちの権利を守ってくれるのは最高裁判所だけなのに、政府はそれを破壊しようとしている」と彼女は語った。

AFP

特に人気
オススメ

return to top