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人工ウランが見つかった2か所について国連査察官に「詳細に回答」=イラン

イランは核開発の目的は民生利用のみだと主張している。(ロイター)
イランは核開発の目的は民生利用のみだと主張している。(ロイター)
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27 Jul 2023 04:07:46 GMT9
27 Jul 2023 04:07:46 GMT9

ドバイ:イランは26日、検査官が人工のウランの痕跡が見つかったとしているテヘラン付近の2つの場所について、新しい詳細を国連に伝えたと発表した。これは、同国が進める計画を巡って緊張が続く中での広範な調査の一環だ。

イランが2015年に世界の大国と交わした核合意は崩壊状態にあり、イラン政府はこれまでで最も兵器レベルに近い割合までウラン濃縮を進めている。同国の民生用核計画の責任者であるムハンマド・エスラミ氏の発言は、そうした中でなされた。

10月の期限(弾道ミサイル計画への国際的な制限も解除される)が迫る中、国際原子力機関(IAEA)からの質問に答えることで、イランはさらなる非難を避けられる可能性がある。閣議後のコメントにおいて、エスラミ氏はイランがIAEAに「詳細な回答」を送ったと述べた。

「もしこれらの回答が受け入れられなかったり、曖昧な点や疑念がある場合は、常々話している通り、私たちは明確に説明し、文書を修正する」と、同氏は国営放送で語った。「私たちは今その段階におり、IAEAにさらなる証拠や文書を提出した。IAEAがこの問題を処理できるよう、さらなる資料を提出していく」

米国が2018年に当時のドナルド・トランプ大統領の下で核合意を一方的に離脱して以降、イランは査察に制限をかけたり、監視映像の提出を拒んだり、IAEAへの回答を引き伸ばしたりしてきたが、エスラミ氏の発言はそうした姿勢の変化を伺わせる。

問題の場所について同氏は具体名を明かされなかったが、IAEAはテヘラン郊外のトゥルクザバードとバラーミーンと特定している。

IAEAの3月の報告書では、イランがウラン鉱石を処理して気体へと変換する試験プロジェクトの場所として1999~2003年にバラーミーンを使用したと査察官が考えていると書かれている。ウランはその後、遠心分離機にかけて濃縮することができる。

IAEAは、現場の建物は2004年に取り壊されたとしている。イラン政府は平和利用が目的だと主張しているが、西側諸国やIAEAは2003年までイランに組織的な軍事核計画があったと述べている。

IAEAは、バラーミーンでの取り壊しの最中にイランがトゥルクザバードに一部の素材を持ち出したと考えている。だがそれだけでは、現地で見つかった「複数の種類の同位体組成が変化した粒子の存在が説明」できないとIAEAは述べている。

トゥルクザバードは、2018年にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が国連で存在を明かし、「じゅうたんクリーニング工場に隠された秘密の核倉庫」と呼んだことで知られるようになった。イランはそれを否定したが、IAEAの査察官はその後、現地で人工ウランの粒子を発見した。

AP

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